いーかわらばん vol.237
- いーかわらばん
- 株式会社アウトオフィス
- 2006/08/10
- vol.237
▼INDEX▼
■ 1. 時の話題
セブン銀行の本質は、「銀行」ではない?!
■ 2. 山崎発、経営を考える
カラダ・バランス飲料「DAKARA」と小便小僧・・・その1
■ 3. 今月の本棚
『デキる上司は定時に帰る』 小松俊明著 あさ出版
■ 1. 時の話題
<セブン銀行の本質は、「銀行」ではない?!>
セブン銀行は、2007年3月期の単独経常利益で、199億円を計上
する見込みです。ソニーなどとともに、銀行法改正を契機に創業し、
5年目の今年累損を一掃しました。
セブンイレブンの店内に置かれているATMは1万台を超え、その数で
は、全国の銀行でNO.1です。もちろん郵便局の2万7千台は銀行と
考えていませんが・・・。
また、預金の出し入れで提携する金融機関数も500を超え、全国の
地銀、第二地銀の半分をカバーしています。さらに、来年の春からは、
個人向けに小口のカードローンもスタートする予定です。
このように見ますと、当然、セブン銀行は、セブンイレブンやヨーカ堂の
店内のATMを軸に、銀行としての引き出し、預け入れ、借入れ等の
機能を持ったもの、と考えがちです。
しかし、多くの評論家やコンサルタントが失敗するだろうと予測したに
もかかわらず、現段階では「成功」と言える最大の理由を、私は、
セブン銀行が従来の「銀行」ではなかったところにある、と考えます。
その本質は、消費者の立場に立った「銀行サービス購買代理商社」
です。
言い換えると、このかわらばんの『経営を考える』でも繰り返し申し
上げたように、銀行サービスにおいて、消費者の利便性を優先した
「胴元ミドルマン」の役割に徹し、制覇した結果に思えます。
これを、セブン銀行の安斎社長は「金融代理業を手がけるつなぎ屋」
と唱えています。何百年の歴史のある「銀行」という業態において、
この「つなぎ屋」の分野がほとんど空白だったこと、セブン銀行がその
空白部分に目を付け覇者になったこと、この二つに改めて驚きを感
じます。
■ 2. 山崎発、経営を考える
<カラダ・バランス飲料「DAKARA」と小便小僧・・・その1>
前回は、「顧客に直接会って、顧客の要望を聴取(ヒアリング)する」
といった、「顧客との対話」の重要性についてお話をしました。
また、そのときの注意点として、
① 仮説を持つこと
② 相手の立場に立った仮説であること
③ 顧客の限界を考えておくこと
の三点を取り上げました。
今回以降、『カラダ・バランス飲料「DAKARA」』を例にとって、上記の
点を確認してみましょう。
私がDAKARAで一番最初に感じた疑問は、
「なぜ、コマーシャルで、小便小僧の人形がでてくるんだろう?」
でした。
ご承知のとおり、スポーツドリンクの市場は、大塚製薬の「ポカリスエット」
と日本コカ・コーラの「アクエリアス」で市場の90%以上が占められてしま
うといった、典型的な寡占状態でした。
アサヒ、キリン、サントリーがその寡占状態を崩すべく、過去に何度となく
挑戦を試み、衝き返されてきました。そんな中で二大ブランドの牙城を
崩すことに成功したのがサントリーのDAKARAだったのです。
何がそれを可能としたのでしょうか。
DAKARAの開発チームが真っ先に行ったのは、「毎日いつどの飲料を
何と一緒に誰と飲んだか」を克明に書いてもらう、といった日記調査でし
た。
「ポカリやアクエリアスをいつ飲みますか?」といった一般的な定量調査
では、「スポーツ時、スポーツ後」が8割近くを占めます。しかし、日記調
査では、2割にも満たない、といった結果でした。
スポーツドリンクは、スポーツ時、スポーツ後というよりも、二日酔いの
時や仕事の合間に飲むものではないのか、これがコンセプト構築の
ためのスタートの仮説になったのです。
次回、DAKARAを例にとって、顧客との対話について、さらに考えます。
■ 3. 今月の本棚
<『デキる上司は定時に帰る』 小松俊明著 あさ出版>
多くの会社の経営者や、幹部、管理者の研修を行ってきて、つくづく
感じるのは、「優秀さ」のもっとも重要な基準の一つが時間管理能力
である、ということです。
その一つの象徴的な表現が、本書のタイトルになったのでしょう。
もちろんこれは、無責任にやるべき事を放っておいて定時に帰る、という
意味ではありません。
私が常日頃感じている表現で言えば、
「多くのことをやり遂げる人には、余裕がある」
ということになるでしょう。
このために必要なことは、
ゴールから見て、すべきことに、即対応する習慣
をつけるしかないと私は考えています。
この本は、時間管理だけではなく、「上司」のあらゆる側面について
述べています。
タイトルの割には、幅の広い本になっていますが、お盆に、寝転んで
読み終えて、確かに参考になったな、と感じることができる1冊です。
■ 4. おしらせ
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次回のテーマは以下の通りです。
- 1. 時の話題
- 2. 山崎発、経営を考える
- 3. 事業承継の真視点
- 4. おしらせ
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