いーかわらばん vol.235
- いーかわらばん
- 株式会社アウトオフィス
- 2006/07/27
- vol.235
▼INDEX▼
■ 1. 時の話題
<『スーパードライ』からの脱出なるか?>
ビール系飲料、すなわちビール、発泡酒、第3のビールの、2006年
1月~6月の販売量で、5年ぶりにキリンがアサヒを抜いて、首位に
返り咲きました。
アサヒビールが低迷を余儀なくされた理由が、発泡酒、第3のビール
で全くヒット商品が出なかった点にあることは誰の目にも明らかです。
そして、これらの新しいジャンルで失敗したのは、ほかならぬスーパー
ドライの存在です。
スーパードライは今でも連結ベースで全社売上の5割を占めている
といわれます。それが足枷になり、新しい商品は、味付けもパッケー
ジも、ほとんど「スーパードライ二世」と言われる商品に仕上がってし
まいました。
昨年5月発売の『新生』しかり、11月発売の『新生3』しかり・・・
大ヒット商品が、それ以降の商品開発の邪魔をする例は、枚挙に
暇がありません。たとえば、かつてのミノルタ『αー7000』などもその典
型例に挙げられました。
今回、荻田社長のもと、組織、人事を刷新して開発した『ぐびなま』
は第3のビールとしては好調な滑り出しを見せています。スーパードラ
イの成功体験から脱出できるかどうか、今後の成り行きに注目です。
■ 2. 山崎発、経営を考える
<「顧客との対話」の方法>
前回は、「知識」の分類についてお話をしました。
従来お話をしてきた「暗黙知」「形式知」といった分類のほかに、「宣言知」
「手続知」といった分類、あるいは「感覚知」「経験知」「科学知」といった
分類がありました。
開発のプロセスで大事なポイントになるのは、「顧客との対話である」とよく
言われます。この点について、「知識」の分類との関係で整理してみましょう。
まず、今回は、「顧客との対話」にどのような方法があるのか、といった点です。
私が開発のお手伝いをした経験から、ランダムに羅列してみると、だいたい
次のようなものをあげることができます。
・ 顧客に直接会って、顧客の要望を聴取(ヒアリング)する
・ 顧客がどのような商品が適切か、相談相手になりながら共通体験をする
・ 顧客をモニター化して、個別に張り付き行動をともにして、要望を整理する
・ 顧客を会員化して、さまざまなアイデアを吸収する
・ リードユーザーを開発プロセスに参画させる
・ エキスパートを前線に配置して、さまざまな要望の対応を行う
・ 顧客との対話記録を、データベース化して開発につなげる(CRM)
・ 顧客に新たな試みをシミュレーション(検証)してもらう 等々
次回以降、これらについて知識との関連でさらに深めてみようと思います。
■ 3. 財務ホット情報
<株主資本等変動計算書と個別注記表>
先月の財務ホット情報では、会社法に基づいた計算書類ということで、
新たに「株主資本等変動計算書」と「個別注記表」という書類を作成しな
ければならないと説明させていただきました。
今回はその「株主資本等変動計算書」と「個別注記表」について、
もう少し詳しく見ていくことにします。
①株主資本等変動計算書
株主資本等変動計算書とは、その事業年度における純資産の部
(資本金、資本剰余金、利益剰余金、評価差額等、新株予約権)
の各項目の変動を示す表としての役割を担います。
1年に何回でも剰余金の配当を行うことができることや、剰余金の
配当の決定等が、この計算書が導入された背景といえます。
従来の利益処分計算書は、その事業年度終了後に開催される
株主総会における利益の処分について表示しておりましたが、
株主資本等変動計算書は、事業年度中の変動を示しますので、
事業年度終了後の株主総会の利益処分については、計算書に
反映されないことになります。
そこで、その株主総会で剰余金の分配等をする場合には、
個別注記表に「株主資本等変動計算書に関する注記」として
表示する必要があります。
②個別注記表
個別注記表は12種類の注記項目に分類して表示する必要が
あります。
1 継続企業の前提に関する注記
2 重要な会計方針に係る事項に関する注記
3 貸借対照表に関する注記
4 損益計算書に関する注記
5 株主資本等変動計算書に関する注記
6 税効果会計に関する注記
7 リースにより使用する固定資産に関する注記
8 関連当事者との取引に関する注記
9 1株あたり情報に関する注記
10 重要な後発事象に関する注記
11 連結配当規制適用会社に関する注記
12 その他の注記
ただし、公開会社でない会社(会計監査人設置会社を除く)は、
上記12項目のうち、「重要な会計方針に係る事項に関する注記」
「株主資本等変動計算書に関する注記」「その他の注記」以外の
注記項目については、省略することができます。
決算申告の際にあわてないように、「重要な会計方針」(いわゆる
評価方法や償却方法、計上基準など)を、事前に整理されては
いかがでしょうか?
■ 4. おしらせ
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次回のテーマは以下の通りです。
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- 4. おしらせ
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