いーかわらばん vol.231
- いーかわらばん
- 株式会社アウトオフィス
- 2006/06/29
- vol.231
▼INDEX▼
■ 1. 時の話題
<少し変わってきた?自動車業界・・・>
この「いーかわらばん」でも、GM危機は取り上げましたが、実は、
アメリカのビッグスリー、GM、フォード、クライスラーのシェアは
微妙に変化してきています。
ます注目すべきは、フォードの雲行きがかなり怪しくなってきたことです。
同社の2006年1~3月期は、前年同期の約12億ドルの黒字から、
一気に11億ドルを超える赤字に転落しています。
また、GMの同期の赤字は、前年同期の12億ドルの赤字から、3億ドル
の赤字へと、赤字ではありますが急速にその幅が縮小しています。
その一方で、真っ先にリストラをしかけ、復活をしてきたのがクライスラーで、
日本車に押されてシェアを落としたGM、フォードを尻目に、
北米におけるシェアを伸ばしつつあるのです。
その原動力は、「技術への徹底したこだわり」。目先のヒットを狙い、
こじんまりとした車を作るのではなく、自社にしかできない車を造ろう、
という姿勢が、実を結んできているように思います。
日本においても、つい先日、販売台数の一部下方修正を行った日産は、
ここへ来てゴーン神話が崩れつつあります。一部では、短期的な
数値結果を求めた「ツケ」が、技術的側面でかなり出てきている、との
指摘もあります。
「短期か、中期か」、「コストか、品質か」、「ハードか、ソフトか」といった
矛盾の調整の難しさは、自動車業界においても例外ではなさそうです。
■ 2. 山崎発、経営を考える
<暗黙の了解の「暗黙」とは・・・>
前回は、仮説→実行→検証のサイクルプロセスを、高いレベルにする、
すなわち、よい仮説を立て、実践し、意味のある検証をするには、
次の三つを意識することが必要だ、とご説明しました。
① 「想い」を「かたち」にする(暗黙知と形式知)
② 高い「価値観」を持つ(価値判断基準)
③ 「矛盾の解決こそ価値」という視点を持つ(弁証法的視点)
では、まず、①の「想い」を「かたち」にする、から整理してみましょう。
カッコ書で、暗黙知と形式知と記しました。よく「暗黙の了解」とか、
「形式にこだわるな」ということで、「暗黙」「形式」ということばは、
日常的にも頻繁に使うのですが、それに「知」がつくと、なんとなく難しく
感じます。
この言葉がかなりポピュラーになってきたのは、野中郁次郎教授の
「知識創造の理論、1990」によるものが大きいと思います。
暗黙知、形式知の何たるかは、知っておいて損はありませんので、
まず、この考え方の要約からスタートしましょう。
この理論では、まず、「知」と呼ばれるものは、
・主観的で言語化・形態化困難な「暗黙知」
・言語、または形態に結晶された客観的な「形式知」
の両者の相互作用から創造される
と考えます。
野中氏によれば、暗黙知は、
個人・集団・組織の各レベルで、個人的経験、イメージ、
あるいは熟練的技能、組織文化、風土などの形で存在する
(語りにくい、主観的、身体的なアナログの知)
形式知は、
言葉や構造を持って存在する。製品仕様、ドキュメント、
データベース、マニュアル、化学式などの公式、
コンピュータ・プログラムなどの形に表現できる
(記述しやすい、客観的、論理的なデジタルの知)
と説明されています。(以上、『知力経営』日本経済新聞社より)
そして、「知識の創造」は、この暗黙知と形式知の相互の変換と循環
を通じた知識の量と質の発展である、ととらえています。
野中氏の表現をストレートに持ってきましたので、少し難しく感じられた
かもしれませんが、次回以降できるだけ現実に即して、さらに考えを
進めていきましょう。
■ 3. 財務ホット情報
<会社法に基づいた計算書類>
会社法が平成18年5月1日から施行されましたが、平成18年5月1日
以降に決算を迎える法人については、旧商法における計算書類では
なく、会社法に基づいた計算書類を作成することになります。
今回は、会社法に基づいた計算書類に焦点を当てて、旧商法と比較
しながら見ていきたいと思います。
【旧商法での計算書類】 【会社法での計算書類】
① 貸借対照表 → ① 貸借対照表
② 損益計算書 → ② 損益計算書
③ 利益処分計算書 → ③ 株主資本等変動計算書
④ 欄外注記 → ④ 個別注記表
⑤ 営業報告書 → (計算書類からは除外)
会社法での計算書類への変更ポイントを簡単にご説明致します。
①貸借対照表上表示されていました「資本の部」が「純資産の部」
に変更されました。
②損益計算書上末尾に表示されていました「前期繰越利益」と
「当期未処分利益」が削除され、「当期純利益」が最終行と
なりました。
③従来の「利益処分計算書」がなくなり、貸借対照表上の「純資
産の部」の動きを示す「株主資本等変動計算書」 を作成する
ことになりました。
④従来貸借対照表等の欄外に注記していました会計方針等を、
別紙にまとめて記載するようになりました。
さらに詳しい質問等につきましては、お気軽に弊社までお問い合わせ
下さいませ。
■ 4. おしらせ
山崎修一オープンセミナーのお知らせ
日時:7月11日(火) 10:00~16:30
テーマ:『何が何でも成功させる!新規事業の発掘と立ち上げ方』
お問い合せ:三菱UFJリサーチ&コンサルティング 052-221-0865
日時:7月20日(木) 10:00~16:45
テーマ:『新規事業の立案と立ち上げ方』
お問い合せ:SMBCコンサルティング 06-6222-9586
日時:8月8日(火) 10:00~16:45
テーマ:『事業承継のための自社株対策』
お問い合せ:SMBCコンサルティング 06-6222-9586
いーかわらばんのバックナンバーをホームページに掲載しております。
途中購読の方で興味のある方は弊社ホームページをご覧下さい。
http://www.nksy.co.jp
次回のテーマは以下の通りです。
- 1. 時の話題
- 2. 山崎発、経営を考える
- 3. 今月の事務
- 4. おしらせ
【web】 https://www.nksy.co.jp
【mail】 mail@nksy.co.jp
☆弊社お客様並びに名刺を頂いた方にもお送りさせて頂いております。
突然の配信をお許しください。
☆展示会等のご案内を掲載させて頂きます、ご一報下さい。
☆メールマガジンの登録・解除は自由です。配信の解除・送信先メールアドレスの変更はお手数ですが、
mail@nksy.co.jp
にご連絡ください。
☆無断転送はご遠慮願います。