いーかわらばん vol.228
- いーかわらばん
- 株式会社アウトオフィス
- 2006/06/08
- vol.228
▼INDEX▼
■ 1. 時の話題
<松下の「NEXTセル生産革新」>
「躍進21」・・・。
これは松下電器産業の中村邦夫社長が掲げる、2004年度からの
中期経営計画の名前です。
その計画の中心的位置を占めるテーマが「IT革新の常態化」です。
「常態化」という言葉には、深い意味があります。
といいますのも、単に仕組みを作るだけではなく、一人一人の社員
の意識改革をもとに風土が形成され、肩に力を入れて意識しなくて
もできるような状態になってこそ、「常態化」といえるからです。
昨年末あたりから、このテーマにまた新たな概念が加わってきました。
それが、「NEXTセル生産革新」です。
各工場が取り組んできた「セル生産方式」による効率化をさらに推
し進め、市場の動向とリンクして、より統合的な効率化を推進しよ
うというものです。
たとえば、液晶テレビを生産している宇都宮工場では、製造機種変
更に要していた2~6時間の変更を、30分以内に切り替えることを
目標とし、「毎日売れる量を毎日生産する」ことを合言葉としました。
さまざまな取り組みの結果、切り替え時間10分が達成されています。
(「日経情報ストラテジー7月号」)
また、冷蔵庫を生産している滋賀県草津工場では、小型冷蔵庫で
5万台あった在庫を1万台にまで減少させました。今後は全体の在庫
12日分を、1日分にまで抑える「工場在庫1日」目標に取り組んでい
ます。(同上)
中村社長から、次の大坪文雄社長へのバトンタッチを控えて、2010年
の営業利益10%という目標にどれだけ近づくか、トップ陣や特にミドル
の力量が大いに問われるでしょう。
■ 2. 山崎発、経営を考える
<わたしはあなた、あなたはわたし・・・>
前回は、「あなたは傍観者ですか?実践者ですか?」という視点が
失敗と成功の分かれ目である、ことを最後にお話しました。
これは、私が10年位前から主張してきた次の三つの原理の根底に
あるものです。
① 具体の抽象化、抽象の具体化
② データの情報化、情報のデータ化
③ 主体の客体化、客体の主体化
さらにこの原理の源流は、私自身が大学時代に、ESSというクラブで
ドラマ(英語の演劇セクション)に打ち込んでいたところに遡ります。
振り返ってみれば、このドラマという活動から学んだことは多いのですが、
本質的には、二つあります。
一つは、「役になりきることの重要性と危険性」です。
もう一つは、「個々人の役者と舞台全体との関係」です。
もちろん、演劇も大きな新しい価値を創造しなくてはなりませんから、
別の見方をすれば、一種の開発であることは間違いありません。
(当時はそんなふうには全くとらえていませんでしたが・・・)
そして、最初の「役になりきることの重要性と危険性」が、まさにこの
傍観者か、実践者か、という観点と重なるのです。
もうおわかりだと思いますが、素晴らしい演劇をしようと思えば、自分
が役どころの人物に入り込んで、そのドラマの中の人物そのものになら
ねばなりません。ここは最重要ポイントです。
と同時に、なりきったままでは逆に危険です。ほんとにそれでいいのか、
それがまた別の他人からはどう見えているのか、という視点も必要で、
それなしにはやはりいいものは作れません。
「わたしはあなた、あなたはわたし・・・」といった状況を作り出すことが
必要だ、と当時はよく言っていました。
この両方の視点を高度に持ち合わせて、初めて一流に近づくわけで、
これこそが「傍観者」ではなく「実践者」といわれるゆえんです。
次回以降、さらにこのプロセスを深めてみましょう。
■ 3. 今月の事務
(1)平成18年度分個人住民税の特別徴収開始
平成18年度分の個人住民税の特別徴収は、6月に支給する給与
から行います。従業員の住所地の市町村から通知された年税額・
月割税額に基づき、間違いのないよう給与計算チェックを行って下さい。
(2)健保・厚年の被保険者報酬月額変更届の提出要否チェック
4月に賃金改定を行う企業が多いと思います。6月の給与支払い後、
健康保険・厚生年金保険の被保険者報酬月額変更届を提出する必要
があるかないか、チェックします。月額変更届提出の必要がある人につ
いては、7月中に所轄の社会保険事務所に提出しなければなりません。
(3)健保・厚年の被保険者報酬月額算定基礎届の作成準備
健康保険・厚生年金保険の被保険者報酬月額算定基礎届の提出期限
は7月1日~10日となっています。事前に事務処理の手順や提出予定日
を確認し、作業を進めておきましょう。
(4)賞与からの健保・厚年保険料の徴収および賞与支払届の提出
6月中に夏期賞与の支給をする会社が多いと思います。賞与を支払う
ときは、健康保険・厚生年金保険の保険料(被保険者負担分)を控除し、
「健康保険・厚生年金保険賞与支払届」を作成し、支給日から5日以内
に所轄の社会保険事務所に提出して下さい。
(5)暑中見舞い・中元の準備
6月に入り暑中見舞い用の官製ハガキが発売されました。暑中見舞状
を出すところでは、部署ごとの必要枚数を取りまとめ、デザインや文面を
決め、すぐに印刷へ回せるようにします。枚数があまり多くないようで
あれば、社内のパソコンを使って制作するのもよいでしょう。
また、得意先等へ中元を贈る場合には、6月中に各部署から贈答名簿
を提出してもらい、デパート等に発注します。
■ 4. おしらせ
山崎修一オープンセミナーのお知らせ
日時:6月21日(水) 13:30~16:30
テーマ:『日本型成果主義経営はこう創る』
お問い合せ:神戸商工会議所 078-303-5808
日時:7月11日(火) 10:00~16:30
テーマ:『何が何でも成功させる!新規事業の発掘と立ち上げ方』
お問い合せ:三菱UFJリサーチ&コンサルティング 052-221-0865
日時:7月20日(木) 10:00~16:45
テーマ:『新規事業の立案と立ち上げ方』
お問い合せ:SMBCコンサルティング 06-6222-9586
日時:8月8日(火) 10:00~16:45
テーマ:『事業承継のための自社株対策』
お問い合せ:SMBCコンサルティング 06-6222-9586
いーかわらばんのバックナンバーをホームページに掲載しております。
途中購読の方で興味のある方は弊社ホームページをご覧下さい。
http://www.nksy.co.jp
次回のテーマは以下の通りです。
- 1. 時の話題
- 2. 山崎発、経営を考える
- 3. 今月の本棚
- 4. おしらせ
【web】 https://www.nksy.co.jp
【mail】 mail@nksy.co.jp
☆弊社お客様並びに名刺を頂いた方にもお送りさせて頂いております。
突然の配信をお許しください。
☆展示会等のご案内を掲載させて頂きます、ご一報下さい。
☆メールマガジンの登録・解除は自由です。配信の解除・送信先メールアドレスの変更はお手数ですが、
mail@nksy.co.jp
にご連絡ください。
☆無断転送はご遠慮願います。