いーかわらばん vol.216
- いーかわらばん
- 株式会社アウトオフィス
- 2006/03/09
- vol.216
▼INDEX▼
■ 1. 時の話題
<労働審判制度がスタート!>
春はさまざまな法律改正がスタートする時期でもありますが、従業員と
事業主との間のトラブルを解決する「労働審判制度」が、本年4月1日
から施行されることになりました。
労務のトラブル解決には、地方裁判所での通常の裁判手続きのほか、
・簡易裁判所が行う調停
・各都道府県の労働局が行う個別の紛争解決
・労働基準監督署、ハローワーク、雇用均等室が行う是正勧告等
があります。
さらに、平成19年5月末日までに、法務大臣の認証のもと、民間団体
によって行われる裁判外紛争解決手続き、いわゆる民間ADRも導入
が予定されています。
労働審判制度が他の制度と比較して特徴的なのは、なんと言っても、
迅速な審理終結を目指したものである、という点にあるでしょう。
裁判官である労働審判官1名、労働関係に関する専門的な知識経
験を有する労働審判員2名の意見により、たった3回の審理で、審判
を決定してしまおうというものです。通常、数ヶ月で紛争解決に至るだ
ろうと期待されます。
地方裁判所で行われ、効力はもちろん裁判上の和解と同様で、強制
執行も可能となります。
ただこの労働審判制度は、どこまでも個々の従業員と事業主との間の
労働問題解決です。したがって、労働組合との問題や、従業員同士
のトラブルは対象外となります。
手数料も決して高くないため、事業主、従業員双方から労働審判に
対する申立ては増えることも予想されます。会社法とともに、労働法に
ついてもより深い理解と実践が必要になるでしょう。
■ 2. 山崎発、経営を考える
<好奇心、天職、役割?>
前回は、四つの催し、
① 思いつく催し
② 組み立てる催し
③ やってみる催し
④ 振り返る催し
のうちの、「①思いつく催し」について、アイリスオーヤマの商品開発会議を
例に挙げてご説明をしました。
それでは、そのようなアイデアが途切れることなく湧き上がってくるのはなぜ
でしょうか。言い換えれば、どのようにすれば商品開発会議がずっと続くよ
うに多くの種が生まれるのでしょうか。
最低、二つの要素が必要だと私は考えています。
一つ目は、強い関心があること、です。
二つ目は、ふっと浮かんだ種を覚えていること、です。
まず一つ目から。 ここでは、「強い関心」はどのようにして生まれるかがテ
ーマです。
これにも大きく分けて二つあります。一つは「好奇心」あるいは「天職」という
ものです。たとえば、
「小さい時から、この子は昆虫が好きで好きで・・・」
という場合は、この典型的なケースです。
それでは、開発会議のメンバーがみんな、
「小さいときから、開発が好きで好きでたまらない」
状況だったかというと、決してそうではないでしょう。
好奇心がまるでない人は確かに少ないでしょうが、むしろ「これが俺の仕事
だから」「開発こそ私の重要な役割だから」という意識が好奇心につながる、
といったケースも多いのではないかと思います。これが二つ目の「役割認識」
です。
裏返して言えば、
① (生まれながらの)好奇心や天職のイメージ
② これこそ私の大事な仕事、といった役割認識
のいずれかが「強い関心」を生み出す源泉です。
このことは、企業組織においては、何を示唆しているのでしょうか。次回は、
これを整理した後、二つ目の「種」を覚えていること、について考えてみます。
■ 3. 今月の本棚
<『抜く技術』 上原春男著 サンマーク出版>
「しまった、力が入ってしまった!」という瞬間は、ゴルフをやっている人ならば
誰もが経験していることでしょう。いやゴルフだけではありません。テニスにおい
ても、水泳においても、およそすべてのスポーツに「力を抜く」ことが要求され
ます。
余談ですが、私は、最近水泳を習っていて、小学校時代に学んだこととあま
りにも違っていてカルチャーショックを覚えました。といいますのは、小学校以来、
「息つぎ」は「息を吸い込む」ものだと信じ込んでいたからです。
コーチからは、クロールで横を向いたらすぐ「腹から息を吐け」と教えられました。
「息を吐いて腹を空っぽにしたら、息は自然に吸えるだろう!」というわけです。
最初は間に合わず、何回も水を飲んで大変な目にあいましたが・・・。
ヨガでもそうですが、息を腹から吐くことは「力を抜く」ことと共通項があります。
この本の著者、上原春男氏は、全世界から注目を集める未来エネルギー
「海洋温度差発電」の世界的権威です。
副題には、
成長する人や組織、製品には絶妙な「抜き」がある
と記されています。
第1章 「抜き」の効用に気づく
第2章 「力み」を抜いて生きる
~生きやすくするための技術~
第3章 「捨てる」側から発想する
~成長する組織・売れる商品の共通項~
第4章 適度な「抜き」のバランスが人間関係を自在にする
の4章立てです。ぜひご一読ください。
■ 4. おしらせ
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次回のテーマは以下の通りです。
- 1. 時の話題
- 2. 山崎発、経営を考える
- 3. 事業承継の真視点
- 4. おしらせ
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