いーかわらばん vol.213
- いーかわらばん
- 株式会社アウトオフィス
- 2006/02/16
- vol.213
▼INDEX▼
■ 1. 時の話題
<ABC・・・その2>
前回は、ABC(活動基準原価計算)の目的について、間接費や
共通費を、より直接的にコントロールし、結果 としてそれらの低
減を図ることだ、というお話をしました。
さて、ある工場長が、製品ラインの段取りにどうも多くのコストが
かかっている、と感じたとします。
もちろん、一般的に段取り時間は間接費で、一定の基準にした
がって、配賦されているわけですが、ABC導入ということで、段
取り回数を基準に配賦することからはじめました。
ABCではまずアクティビティごとに単価を算出します。段取り回数
一回あたりの単価を算出し、それを配賦基準にすることにより、
作業員の段取り替えに対する意識が高まり、その回数を減らす
効果が現れます。 と思いきや、しかし・・・。
実は、これだけでは、何一つ原価低減には寄与しません。原価
計算自体に少しは正確なイメージが生まれるものの、段取り替え
の回数の減少は、アクティビティ単価を増加させ、トータルでは同
じコストになってしまうからです。
ということは・・・。
・時間当たりの段取り単価を算出し、
・実際の原価を求め、
・それをもとに段取り時間の無駄がどこに潜んでいるかを探り、
・その無駄を排除する仕組みを考え、
・その効果として段取り総時間の減少から、それに携わる人員の
削減につなげて
・・・
そこで初めていかなる金額のコスト削減が可能であるかが明らか
になるわけです。
ABCはこういった新しい手法や仕組みを生み出す根拠となる道具
である、という点をより強く意識する必要があります。こういった積
み重ねが真のABM(Activity Based Management)の意図するとこ
ろでしょう。
■ 2. 山崎発、経営を考える
<目に飛び込んでくる「知恵の展示場」!>
ノウハウを、見えて、使えて、増えるようにするには、
① ノウハウの「展示場」
② 展示場で行う「催し」
という二つのものが不可欠であるということで前回は終了しました。
では、ノウハウの「展示場」とはいったい何でしょうか。
ノウハウの展示場を、私は別名「知恵の展示場」ともよんでいます。
いずれも私の造語ですが・・・。
簡単に言えば、過去に蓄積してきた自社のさまざまな技術やノウハ
ウ、仕組みを一覧できる「会場」のことです。
もちろん、会場といっても、実際にどこかの会場という意味ではなく、
実際には、自社の会議室の壁に、そういったことを記した模造紙が
5枚ほど張ってある、といったイメージを持っていただければいいと
思います。
いまどきのIT技術の進歩を考えると、なぜ、模造紙に書くんだろう、
データベースとしてサーバーに保存しておくほうが便利だろう、と
考えがちです。
しかし、
・能動的に、見に行かなければ見えないという状況
・受動的に、いやでも目に飛び込んでくる状況
では人間の脳に潜在的に与える刺激は大いに異なるようで、明らか
に、後者に効果があると思われます。
皆さんの会社には、こういった「目に飛び込んでくる知恵の展示場」
はあるでしょうか?
■ 3. 事業承継の真視点
<社債発行に関する改正>
今回は新会社法の社債について、簡単に整理しましょう。
従来は、社債の発行には取締役会の決議が必要でしたので、有限
会社のように取締役会のない会社は、社債を発行することができま
せんでした。
新しい会社法では、合名、合資、合同会社も社債の発行ができるよ
うになりました。
また、取締役会を設置している会社では、取締役会の決議の範囲内
であれば、代表取締役の単独の判断で、何回かに分けて継続的に
社債を「シリーズ発行」できるようになっています。
さらに、従来は社債の応募額が、社債発行総額に満たない場合に
は、社債の発行自体が成立しない、というルールでした。
これでは、社債の価値も半減してしまいます。
そこで、新しい法律では、この従来のルールも改正して、支払期日
までに実際に支払われた額だけで発行が成立するという「打切発行
の原則」を認めました。
一方で、社債管理会社(銀行や信託会社等)の責任は重くなっています
が、中小会社においても、社債発行の可能性が大きく前進したことは
事実でしょう。
■ 4. おしらせ
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