いーかわらばん vol.212
- いーかわらばん
- 株式会社アウトオフィス
- 2006/02/09
- vol.212
▼INDEX▼
■ 1. 時の話題
<ABC・・・その1>
「ABC」といっても、朝日放送でも、某お店の名前でもありません。
活動基準原価(Activity Based Costing)の略です。
数年前にはやり出し、いまやすでに下火、という見方もありますが、
コンピュータシステム的にはともかく、かなり浸透してきた結果だと
私は見ています。
ところが一部には、ABCによって、適切な配賦が施され、正確な原
価計算がなされる、結果として不公平もなくなる、といった期待が多
分にありすぎるように思います。
皆さんの会社において、部門別損益を算出するときでさえ、
・これだけ節約しているのに、売上を基準に、なぜ本部経費をこん
なにたくさん負担しなければならないのか、
・営業企画部の給与をなぜこんなに負担するのだ、今期はまったく
うちの部門には何の関係もないことしかやっていないじゃないか、
とか、まあこの種の議論は枚挙に暇がありません。
間接費、あるいは共通費というものが多額になってきた段階では、
「配賦」という作業によって、正確な原価を算出することは、非常に
大変だ、ということが、このことからもよくわかります。
ABCはこの間接費や共通費を、より直接的にコントロールし、結果
としてそれらの低減を図ることを目的としています。
次回、「段取り替え」の工程を例に、もう一度このABCを取り上げて
みましょう。
■ 2. 山崎発、経営を考える
<ノウハウの「展示場」と「催し」?>
前回の最後に、「ノウハウを塊にする」とは、
① 見える塊にする
② 使える塊にする
③ 増える塊にする
という三つの要素が必要だ、というお話をしました。
よく考えてみると、「お金」と一緒ですね。
たとえば、ボーナスという「お金」をもらうにしても、明細書だけもらう
より、お札が目に「見えた」ほうが実感が沸くでしょうし、「使え」なけ
れば意味がありません。当然、そのお金は、「増えた」ほうがいいに
決まってます。
ただ、根本的に、お金と違う点があります。
それは、お金は使えば減りますが、ノウハウは、使えば使うほど増
える、という点です。
だから、「見える」「使える」「増える」形でノウハウを塊として保有して
いるところとそうでないところは、ますます差が開いてしまうのです。
では、ノウハウを、見えて、使えて、増えるようにするには、何が
必要でしょうか。
私は、次の二つのものが不可欠だと、提唱しています。
① ノウハウの「展示場」
② 展示場で行う「催し」
次回は、これらについてお話を進めましょう。
■ 3. 今月の本棚
<『高学歴ノーリターン』 中野雅至著 光文社>
副題には、
~ 一流大学が負け続ける「ギャンブル社会」の到来 ~
と記されています。
また、構成は次の8章です。
Chapter1 誰が損をしているのか
Chapter2 報われない仕事
Chapter3 彼らはなぜ怒らないのか?<中央官庁編>
Chapter4 彼らはなぜ怒らないのか?<一流企業編>
Chapter5 「中流受験秀才」の悲劇
Chapter6 「学歴社会」の崩壊
Chapter7 運がよければ・・・
Chapter8 「新・学歴社会」を構築せよ
著者は、厚生労働省の官僚出身、現在兵庫県立大学の助教授
ですが、「学歴社会」が大暴落することが本当にいいのだろうか、
という疑問を投げかけています。
すなわち、学歴社会の崩壊は、ほんとうに「努力する」「継続する」
ことが尊いという価値観を崩壊させ、「カネとコネとウンがすべて」
というギャンブル社会をもたらすのではないか、と記しています。
もちろん、学歴偏重は問題だが、さまざまな価値基準のひとつとして
学歴は尊重されるべきであり、そのためには大学の非序列化、
何歳でも大学に入学できる社会、すなわち「学歴・職歴アップデート
社会」にすべきではないか、と結んでいます。
一読に値する本です。
■ 4. おしらせ
いーかわらばんのバックナンバーをホームページに掲載しております。
途中購読の方で興味のある方は弊社ホームページをご覧下さい。
http://www.nksy.co.jp
次回のテーマは以下の通りです。
- 1. 時の話題
- 2. 山崎発、経営を考える
- 3. 事業承継の真視点
- 4. おしらせ
【web】 https://www.nksy.co.jp
【mail】 mail@nksy.co.jp
☆弊社お客様並びに名刺を頂いた方にもお送りさせて頂いております。
突然の配信をお許しください。
☆展示会等のご案内を掲載させて頂きます、ご一報下さい。
☆メールマガジンの登録・解除は自由です。配信の解除・送信先メールアドレスの変更はお手数ですが、
mail@nksy.co.jp
にご連絡ください。
☆無断転送はご遠慮願います。