中堅・中小企業の発揮能力最大化支援

㈱トップ支援 03-3256-4101
㈱アウトオフィス 06-6300-1787

メールでのご相談はこちら

いーかわらばん vol.209

  • いーかわらばん
  • 株式会社アウトオフィス
  • 2006/01/18
  • vol.209

▼INDEX▼

■ 1. 時の話題

カーシェアリング

■ 2. 山崎発、経営を考える

ノウハウを塊(かたまり)にするとは、たとえば・・・①

■ 3. 今月の本棚

『場の論理とマネジメント』 伊丹敬之著 東洋経済新報社

■ 1. 時の話題

<カーシェアリング>

「カーシェアリング」という言葉を最近良く耳にします。「カー」は「車」、
「シェアリング」は「ワークシェアリング」としてもよく使われる「共有する」と
いう意味です。

すなわち、一台の車を数人で共有して使う「会員制レンタカーシステム」
と言ってもいいかもしれません。

目的のひとつは、もちろん各家計の経費節減です。

ちょっとした乗用車で、ほとんどの乗らなかったとしても、保険代、車検
代、オイル等の最小限のメンテナンス代、駐車場代、償却費などを合
計すれば、あっという間に一日1000円くらいはかかっている計算になり
ます。それを節約するためのひとつの方法というわけです。

もうひとつの大きな目的は、環境対策です。

特に地球温暖化防止の視点から、家庭からの二酸化炭素の排出割
合を考えると、なんと乗用車が4割を占めている、といったデータもあり
ます。これを何とか削減できないだろうか、ということです。

カーシェアリングは1980年代後半にスイスで自然発生的に生まれたシ
ステムですが、それを活用し始めたヨーロッパの国々では、この取り組み
により、自動車の走行距離が50%も削減したとの報告もあります。

日本でも横浜、京都市、福岡などで実験が始まり、「カーシェアリング
ネットワーク」も生まれてインターネットによる無人貸し出しや管理のシス
テムがスタートしています。今後、それなりに進化していくことでしょう。

また、「カー」に限らず、一定の目的のもとで、「シェアリング」のビジネス,
あるいはシステムが成り立つのではないか、という視点で考えて見るのも
おもしろいのではないでしょうか。

■ 2. 山崎発、経営を考える

<ノウハウを塊(かたまり)にするとは、たとえば・・・①>

前回は、「ノウハウを塊(かたまり)にする」という表現を紹介しました。

これは、私がいくつかの会社の無形資本形成のお手伝いをさせていた
だいている中で使っている表現ですが、かなり奥深いものがあります。

ひとつ、平易な具体例を紹介しましょう。

「目標チャレンジ制度」と銘打って実践しているある会社における、目
標設定をする場面での、実際例です。

ある営業マネジャーA氏の目標テーマは、「顧客との関係を密にするこ
と」でした。もちろんこれはテーマであって、何一つ具体的な行動は
示されていません。

従来の目標チャレンジ制度では、こういったあいまいな部分を数値化
せよ、との指示が出ていたため、A氏は、ABCランクのBランクの顧客
にアプローチして、Aランクの顧客数を倍にする、という目標を設定
しました。

さて、このA氏の目標実現のための行動を、「ノウハウを塊にする」ため
には、さらにどのような「しかけ」が必要でしょうか。

さらに詳しく、A氏の目論んでいる「アプローチ」の中身を確認していき
ますと、
① Bランクの顧客については最低月1回キーマンに接触し、
② 相手の困っていること、悩んでいることを聞きだし、
③ 次回訪問時(翌月)にその解決提案を示し、
④ その反応を整理して、次の手立てに結びつける
というものでした。

これが示されるだけでも相当な進歩ですが、きちんとした目標チャレン
ジ制度であれば、このあたりまではやるはずです。

ノウハウを塊にするためには、もう一歩、前もって準備しておかなければ
なりません。それはどういった中身だと皆さんはお考えでしょうか。もちろん
正解などないのですが、次回この先をご説明しましょう。

■ 3. 今月の本棚

<『場の論理とマネジメント』 伊丹敬之著 東洋経済新報社>

人の能力のうち、単なる知識ではない「コンピテンシー」とでもいうべきもの
は、アウトプットを通じてしか身につけることはできない、という点は「経営
を考える」においてもお話しをした点でした。

たとえばリーダーシップに関する本を何冊読んだところで、読まないよりは
はるかにマシですが、リーダーシップが身につくとは限りません。

むしろ、リーダーシップを発揮せざるを得ない場に放り込まれて、考え、
悩み、実践してみることを通じて、リーダーシップが身についていくのです。

ではその具体的なアウトプットの「場」とは、どういったものなのでしょうか。

こういった「場」という概念について、個人と組織の両面から、総合的に分
析、整理し、説明されたものは、私の知る限りにおいては、今までありませ
んでした。その意味では、画期的な本だと思います。

第1章 場の論理
第2章 経営組織の中の場
第3章 場のメカニズム
第4章 場のマネジメントとは
第5章 場の生成のマネジメント
第6章 場のかじ取りのマネジメント
第7章 場における情報蓄積
第8章 マネジメントのパラダイム転換
第9章 場の中のマネジャー

という全9章から構成されています。

たとえば、第8章の「マネジメントのパラダイム転換」では、階層(ヒエラルキー)
を軸にした経営組織から、今後は、場を軸にした経営組織へのパラダイム
転換が必要ではないか、そして、場を軸にした組織においてこそ、日本の強さ
が発揮できるのだ、といった提言がなされます。

自社の組織と社員を見直し、より自立性、創造性を高めるために、ぜひ読ん
で考えていただきたい本です。

■ 4. おしらせ

いーかわらばんのバックナンバーをホームページに掲載しております。
途中購読の方で興味のある方は弊社ホームページをご覧下さい。
http://www.nksy.co.jp

次回のテーマは以下の通りです。

  • 1. 時の話題
  • 2. 山崎発、経営を考える
  • 3. 事業承継の真視点
  • 4. おしらせ

【web】 https://www.nksy.co.jp
【mail】 mail@nksy.co.jp

☆弊社お客様並びに名刺を頂いた方にもお送りさせて頂いております。
突然の配信をお許しください。
☆展示会等のご案内を掲載させて頂きます、ご一報下さい。
☆メールマガジンの登録・解除は自由です。配信の解除・送信先メールアドレスの変更はお手数ですが、
mail@nksy.co.jp
にご連絡ください。
☆無断転送はご遠慮願います。

いーかわらばん
著者・論文