いーかわらばん vol.207
- いーかわらばん
- 株式会社アウトオフィス
- 2005/12/21
- vol.207
▼INDEX▼
■ 1. 時の話題
<ソニーと松下、その現場>
「明暗分かれる電機業界」という言葉は、9月中間決算発
表時に多くの新聞や雑誌が書き立てたテーマでした。
大手各社の内、松下電器産業、東芝、富士通、三菱電機、
シャープの5社が3月通期で増益を予想しています。
一方で、日立製作所、ソニー、NEC、三洋電機の4社が、
減益または赤字転落を予想しています。
もちろん、来年3月の予想ですから、この後何が起こるか、
絶対的なことは分かりません。しかし、松下やシャープの
好調ぶりと、ソニーの低落ぶりは、誰もが感じているところ
でしょう。
「ソニーは、製造業から離れてしまった・・・」など、さまざま
な原因が取り沙汰されています。しかし、私は、その中の
より根本の部分に「現場軽視」があるのではないか、と思
います。
もちろん、「現場」といっても、製造現場もあれば、顧客との
接点という現場もあります。あるいは、事務部門にも現場が
あります。
そのそれぞれの現場の「真の状況」をトップ陣や幹部がど
れだけ分かって、足が地に着いた手を打っているか、そう
いった根本姿勢に差があったのではないかと思います。
新しい発想や企画はもちろん重要です。しかし、地道に、確
実に利益を生み出す底力は、それらを実行する現場にある
という、この部分をどれだけ重視しているか、再度確認すべ
きだと思います。
■ 2. 山崎発、経営を考える
<ノウハウを塊(かたまり)にする!>
10月の中頃から2ヶ月にわたって「見えざる資本」について
お話しを進めてきました。
まだしっかりと確立された理論がないにもかかわらず、それを
つらつらと記述しましたので、かなりわかりにくかったのでは
ないか、と思います。
しかし、この「見えざる資本」が競争力の重要な源泉の一つで
あることは間違いありません。
では企業経営において、この「見えざる資本」をどう料理すれ
ばいいのでしょうか?
見えざる資本の測定、すなわち数値化は、現実にはほとんど
不可能です。とすると、残された方法は、数字でなくていいから、
「見えざる」ものを「見える」ようにすることでしょう。
言葉としては、11月の『今月の本棚』でご紹介した『見える化』
なのですが、ここではより根元的なものを考えています。
それは、組織が創り上げてきた仕組みやノウハウ、ひとりひと
りが培ってきた技術や仕事の方法、をできるだけ見える状態に
する、といったものです。
したがって、こういった見えざる資本を見えるようにするというこ
とは、ひと昔前からよく言われている、
「暗黙知の形式知化」
に近いと考えていただければいいでしょう。
私は、お客様にご指導する際には、
「ノウハウを塊(かたまり)にする」
という表現をします。
次回以降、この「ノウハウを塊にする」ことについて、できるだけ
実践的に考えてみましょう。
■ 3. 事業承継の真視点
<第三者割当、有利発行の一本化>
前回は自己株式に関する規定が緩和したことについてお話しを
しました。
今回は、増資について考えてみましょう。
増資で新株を発行する場合、株主に割り当てる場合と、株主で
ない第三者に発行する場合とがあります。
今までの法律では、第三者に発行する場合には株主総会の特
別決議が必要でした。
また一方で、新株を、特に有利な発行価格で発行する、いわゆる
有利発行の場合も、別途、株主総会の特別決議を要しました。
それが今回の改正で一本化されたのです。
発行する株式の種類や数に加えて、発行価額の下限を加えるこ
とで、有利発行の歯止めは大丈夫ということになったのです。
一方、株主割当の場合は、譲渡制限会社においては、必ずしも、
取締役会が存在するとは限らないため、原則として株主総会の
特別決議が必要です。
しかし、定款に定めることにより、取締役または取締役会が株式
発行事項の決定を行うことができます。
実際には、この取り決めを定款に定め、迅速な増資を実現できる
ようにしておくべきでしょう。
■ 4. おしらせ
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