いーかわらばん vol.205
- いーかわらばん
- 株式会社アウトオフィス
- 2005/12/07
- vol.205
▼INDEX▼
■ 1. 時の話題
<予算は何のために作る?>
12月決算の会社はもちろんのこと、3月決算の会社もそろそろ
来期の予算作りに入っておられることでしょう。
最近、この予算を疑問視する声が上がってきています。
ジェレミー・ホープ氏の『脱予算経営』などはその典型といえる
でしょう。
確かに、多大の時間と労力をかけて行った予算作りが、組織内
でどれだけの効果をもたらしているか、予算策定そのものの費用
対効果が低い企業は、かなり多いのではないでしょうか。
あるいは、予算制度が、柔軟な思考や行動を阻害している、とい
った批判もあるようです。
では、予算が不要か、というと決してそうではありません。
大事なことは、予算という「道具」を、いかなる目的のために、ど
のような方法で、使い切るか、というところにあると思います。
たとえば、成果評価をする際の道具に使うとしましょう。
成果評価のものさしを予算達成度合いで見ることを強調すれば
するほど、売上予算は低く、経費予算は大きく設定する誘因にな
ることは、人間として当たり前です。
しかし、一方で、成果評価のものさしを、どれだけ挑戦的な目標を
設定し、それに向かってどれだけ懸命に努力したか、に置くとすれ
ば、当初の設定の仕方と、具体的な日々の行動が従来とどのよう
に変化したか、をしっかりと見る基準が必要になります。
どちらがいいか、一概には言えません。また、だから、予算が要ら
ないことにもなりません。それぞれの企業や部門の置かれている
状況、風土、今後の方針によって変わってくるはずです。
今一度、予算という「道具」を、いかなる目的のために使うのか、
根っこの部分をはっきりさせていただきたいと思います。
■ 2. 山崎発、経営を考える
<簡単に測定できないブランドの価値>
前回は、ブランド価値の測定方法には、どの市場から見るかによって、
① 資本市場から見たブランド価値(=株主から見た価値)
② 顧客市場から見たブランド価値(=顧客から見た価値)
③ 労働市場から見たブランド価値(=社員から見た価値)
があることをお話しました。
さて今回は、資本市場から見たブランド価値の測定について整理しま
す。結構難しいものですが、考え方だけ簡単にみてみましょう。
この測定方法にも大きく分けて3種類あります。
ひとつは、コストアプローチです。
これは、ブランドを得るためにどれだけの費用がかかるか、その額をもっ
てブランド価値とする考え方です。
二つ目は、マーケットアプローチです。
これは、企業の純資産額から導かれる公正な価値を、株式時価総額が超
える部分の金額をブランドと考えます。企業総体で考えますので、コーポレ
ート・ブランド、すなわち、会社自身がひとつのブランドを形成している場合
には簡単ですが、個別ブランドを測定する場合には、さらに手数を要する
ことになります。
三番目は、インカムアプローチと呼ばれるものです。
これは、たとえばブランドの所有者がそのブランドを奪い取られたとしたら、
どれだけの損失を被るか(たとえば、それを利用するためにどれだけのラ
イセンス料を払わなければならないか、等)をもとに計算します。
いずれにしても、すべてが一長一短で、測定方法が確立されているわけで
はありません。
したがって制度化されるのはそう簡単ではないでしょう。M&Aの際に、さまざ
まな測定をしてみて、両者の合意点で評価が決まる、といったのが現在の
状況なのです。
■ 3. 今月の事務
2005年も、あと残すところ、1ヶ月になってしまいました。
何かと気ぜわしい師走の時期、今年最後の事務をミスなく、仕上げたい
ものです。
●年末調整の実施
12月中に年末調整を行う会社、1月に入ってから年末調整を行う会社
それぞれのスケジュールに合わせて、扶養控除等(異動)申告書、配偶
者特別控除申告書、保険料控除申告書などの提出期限を決め、提出し
てもらいましょう。保険料控除などの所得控除を受ける場合には払い込み
証明書類の添付が必要となりますので、併せて提出していただきましょう。
●取引先の年末年始休暇などの確認
取引先の年末年始休暇を確認するとともに、自社の年末年始スケジュ
ールについても関係先に知らせておきましょう。
●年賀状の投函
12月15日から年賀郵便の特別取扱いが始まります。宛名の最終チェック
の終わった年賀状は早めに投函しましょう。
●年度末の締めくくり
来年、気持ちよく仕事が出来るように、片づいていないデスク、引出の中、
今年中に、今年の垢を落とすように、みんなに呼びかけましょう。
■ 4. おしらせ
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次回のテーマは以下の通りです。
- 1. 時の話題
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- 4. おしらせ
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