いーかわらばん vol.203
- いーかわらばん
- 株式会社アウトオフィス
- 2005/11/16
- vol.203
▼INDEX▼
■ 1. 時の話題
<政府系金融機関こそ大きな不良債権?>
先日の政府の経済財政諮問会議では、商工中金(商工組合
中央金庫)の2008年度における民営化をはじめ、公営企業
金融公庫の地方移管などが決定されました。
このまま放っておくと大変だった!のは、決して民間の金融機関
だけではないことは皆さんもご存知だと思います。
ではどれくらいの不良債権額を抱えているのでしょうか?
(金額、人名とも2004年度現在のものです)
すでに2007年4月から「住宅金融支援機構」と名称を変えて
廃止される住宅金融公庫が3兆4千億円を超える不良債権額。
さらに、1兆円を超える不良債権額を有しているのが、国際協力
銀行の1兆4,409億円、中小企業金融公庫の1兆512億円です。
その次に、国民生活金融公庫の8,536億円、商工中金の7,078
億円が続きます。
さらに、経営トップは、
日本政策投資銀行 小村氏 (旧大蔵省)
国際協力銀行 篠沢氏 (旧大蔵省)
国民生活金融公庫 薄井氏 (旧大蔵省)
商工組合中央金庫 江崎氏 (旧通産省)
農林漁業中央金庫 高木氏 (旧農水省)
といった具合に、ずらっと天下りが続きます。
小泉首相によれば、今後は、金融機関のトップには、原則として、
官庁からの天下りは認めない方針を打ち出してはいます。
いずれにしても、こういった不良債権は誰がどのように責任を取って
改革が進んでいくのでしょうか。きわめて疑問です。
■ 2. 山崎発、経営を考える
<「見えざる資本」でますます差が開く!>
ここ数回は、見えざる資本の特徴として、
① 同時多重利用が可能であること
② 取引市場が未成熟であること
③ 投資の不確実性が高いこと
を申し上げました。
少し寄り道ともいえますが、実は、このことから見えざる資本に関する
重要なポイントが整理できます。
それは、前回にも指摘した、勝ち組になるか否かの分かれ目、言い換
えれば、二極分化の重要な要因のひとつがここにある、ということです。
といいますのも、不確実な投資は、不確実であるがゆえに、明日の売
上を目指してキュウキュウとしている会社にはできません。余裕のある会
社、余裕のある段階でしかできないわけです。
しかもそれは、事業化の源泉の源泉に対する投資であって、事業化が
なされていった暁には、その見えざる資本は、同時多重利用が可能で
あるわけで、原価は限りなくゼロに近づいていきます。
しかも市場が未成熟である分、簡単に売買ができないし、できたとして
も「風土」といった見えざる資本が整備されるのにはまた時間がかかりま
す。
すなわち、見えざる資本は、強者と弱者の差をますます広げる役割を
果たしてしまうことになるのです。
「おこぼれちょうだい経済」から成熟化に伴う「ご指名経済」への変化が
二強時代を生み出すことは、講演のたびにお話をしていますが、ご指名
経済の本質は・・・をさらに掘り下げていきますと、この「見えざる資本」
に行き着くわけです。
■ 3. 事業承継の真視点
<定時株主総会でなくても自己株式が取得できる!>
今回は、自己株式に関する改正について整理しましょう。
自己株式については、平成6年、平成13年、平成15年と順次取得の
緩和がなされてきました。
特に平成13年の改正は大きく、いわゆる、「金庫株の解禁」と呼ばれる
ことになったのは記憶に新しいところです。
今回はさらにそれが緩和され、従来定時株主総会の決議が必要だった
自己株式の有償取得が、臨時株主総会の決議によっても可能となりま
した。
この価値は大きいと思います。これによって、ほんとうに柔軟でスピーディな
対応が可能になりました。
さらに、従来は特別決議が必要でしたが、株式を譲渡する人を定めない
で株主全員に譲渡の機会を与える新たな有償取得手続きが認められ、
それは普通決議で可能となったのです。
「事業承継」という観点からすると、支配権の異動や、株主側の資金確
保を狙って、自己株式を取得するケースが多いのですがそういった場合に
今回の会社法の改正によって、非常にやりやすくなったということができま
す。
また、自己株式の有償取得は、金銭による利益の配当、中間配当、
減資の払い戻し等とあわせて、「剰余金の分配」として統一的に財源
規制が行われることになりました。
■ 4. おしらせ
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