いーかわらばん vol.194
- いーかわらばん
- 株式会社アウトオフィス
- 2005/09/14
- vol.194
▼INDEX▼
■ 1. 時の話題
<「連結トラック」が人手不足解消の鍵?>
2007年問題による大量の定年退職による人手不足はあらゆる
方面に大きな影響を与えますが、一方で、数多くの新しい対応が
試みられています。
たとえば、「連結トラック」もその一例です。
これは2台のトラックが、ぴったりとくっついて走るもので、そのた
めの装置を開発したのは、富山県小山市の運送会社である大和
トランスポートです。
従来からフルトレーラーと呼ばれる連結車両はありましたが、これ
ですと、牽引される2台目が自分で動くことは出来ないため、切り
離したらその場に置いておくことしかできませんでした。
しかし新しく開発された連結トラックは、つながっているときは運転
手が一人で済みますし、中継所で切り離し、そこに別の運転手が
待機していれば、それぞれ別のトラックとして動くことが出来るわ
けです。
後ろの車のハンドルやブレーキも制御できるということで、特許を
取得し、運輸支局の許可も受けることができました。実際、三協立
山ホールディングスなど、大手の会社からの発注も入り始めてい
ます。
このことにより、人手不足の解消はもちろん、人件費や燃料費の
削減に寄与することがより明確になれば、さらに普及していくこと
が期待できるでしょう。
2007年問題は、新たな発想を生み出すチャンスとなる一面もあ
るのかもしれません。
■ 2. 山崎発、経営を考える
<結婚式費用は、離婚の埋没コスト?>
前回は「埋没コスト」という概念について、管理会計上から、「意思
決定に影響を及ぼさないコスト」という定義について、ディズニーラ
ンドの例を挙げてお話をしました。
一方、経済学的には、「意志決定に関係しない」をさらに広く解釈し
て、
① 「他への転用や売却によっても回収できないコスト」
であるとか
②「ある投資が期待通りの成果を上げなかったことにより回収不能な
コスト」
という定義をしています。
すごく通俗的な、しかし、わかりやすい例をあげてみます。
今A君は、離婚するか、それとも、だらだらとこのまま今の夫婦を
続けるかで悩んでいたとしましょう。
そして、A君が思い切って離婚に踏み切れない最大の理由は、つ
い数年前に1千万円をかけて盛大にとり行った結婚式の費用負
担が腹立たしく頭にちらつくから・・・だったとしましょう。
管理会計的に考えると、この結婚式費用は、離婚するしないに
かかわらず発生しているコストですので、明らかに埋没コストです。
一方、経済学的に考えると、結婚式の費用は「期待通りの成果(円
満な夫婦生活)をあげられなかったコスト」であり、また、「他への
転用(離婚)によっても回収できない」ものですから、やはり、間違
いなく「埋没コスト」になる、という感覚はおわかりいただけると思い
ます。
そこで、本論の「顧客関係性」というマーケティングの視点に戻りま
すと、さきほどのA君が、
「すでに投資した結婚式費用を無駄にしたくない」
という意識を活用できないか、と考えるわけです。
次回以降、この視点から事例を挙げて顧客関係性についてさらに
深めていくことにしましょう。
■ 3. 今月の本棚
<『決断力』 羽生善治著 角川書店>
言わずと知れた将棋界の帝王、羽生善治氏の著書です。企業経営
はもちろん、スポーツの一瞬一瞬においても、「決断力」が勝敗を決
することは、改めて語る必要はないでしょう。
この本は新書版で、次の全5章から構成されています。
第1章 勝機は誰にでもある
第2章 直感の7割は正しい
第3章 勝負に活かす「集中力」
第4章 「選ぶ」情報、「捨てる」情報
第5章 才能とは、継続できる情熱である
私自身は、将棋をうつわけではありませんが、最近、棋界への興味
がかなり強くなり、特に30代半ばの、羽生、佐藤、森内、藤井、丸山
といった棋士の考え方に惹かれるものがあります。
とにかく、勝負どころで人間に要求される能力は何かを考えるには、
たいへん役立つ本です。
また、この点は、ビジネスにおいても、スポーツにおいても、将棋におい
ても共通なんだなあと、あらためて実感できる内容になっています。
ぜひ、連休にでも、ご一読下さい。
■ 4. おしらせ
山崎修一オープンセミナーのお知らせ
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『事業承継のための上手な自社株対策・節税対策』
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『勝ち組企業が実践する強い会社の資金』
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次回のテーマは以下の通りです。
- 1. 時の話題
- 2. 山崎発、経営を考える
- 3. 事業承継の真視点
- 4. おしらせ
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