いーかわらばん vol.189
- いーかわらばん
- 株式会社アウトオフィス
- 2005/08/10
- vol.189
▼INDEX▼
■ 1. 時の話題
「LOHAS」という新しいライフスタイル
■ 2. 山崎発、経営を考える
「富山の薬売り」は「顧客資本」の原点!
■ 3. 今月の本棚
『ひらがなで考える商い(上・下)』 伊藤雅俊著 日経BP社
■ 1. 時の話題
<「LOHAS」という新しいライフスタイル>
LOHASとは、Lifestyles of Health and Sustainability の頭文字
をとった略語で、日本では、「健康と環境を重視するライフスタ
イル」という意味で使われます。
1970年代から、先進工業国と言われる国々は、大量生産、大
量消費、大量廃棄を通じて、物質的な豊かさや便利さを享受し
てきました。
しかし、1990年代からは、環境汚染や地球温暖化現象によっ
て、国家や企業は環境問題に取り組む必要が出てきました。
と同時に、新しい価値観を持つ人たちが、LOHAS層として生ま
れてきたのです。
では具体的に、LOHAS層とはどんな特徴を持っているのでしょ
うか。
たとえば次のようなことが言われています。
・商品の選択をする場合、価格が安いということよりも、環境に
優しい等を、判断の大切なポイントと考えている。
・予防医学・代替医療を心掛け、なるべく薬に頼らないといった
生活を理想としている。
・有機野菜や化学添加物の少ない自然食品を選び、自然系の
洗剤等を使う。
・自己啓発のために、ヨガを始めている。 等々
アメリカでは、こういったLOHASの市場規模は、従来のエコ商
品も含めると35兆円と言われており、日本でも、レストラン業
界、アパレル業界が、LOHASのウェーブを先取りした商品開
発を始めたようです。
■ 2. 山崎発、経営を考える
<「富山の薬売り」は「顧客資本」の原点!>
前回は、「顧客資本」を認識する前提として、
① 顧客ターゲットを明確にすること
② 顧客差別化をすること
③ 顧客とのコミュニケーション
の三つを挙げました。
さらに、「顧客資本」を増大させていく戦略を考える際に、
① 商品価値
② ブランド価値
③ 顧客との関係性
のフレームワークに基づくことをご説明しました。
まず、今回は、①商品価値についてです。これは、当たり前す
ぎて、今さら説明の必要はないと思いますが、機能、品質、価格
等がその代表的なものです。
しかし、「顧客資本」を増大していくために、圧倒的に重要なも
のを商品価値の分野から一つだけ挙げよ、と言うことになります
と、「利便性」ということになるでしょう。
「利便性」には、立地や使い勝手、入手の容易さ等が含まれます
が、その本質は、
・手間(時間と煩雑さ)を省くことができる
・自分(自社、自部門)に必要なモノが一通り揃っている
・必要なときに、必要な量だけ入手できる
といったところに集約できると思います。
具体的には、従来からのコンビニエンスストアや、郊外型ショッピ
ングセンターはもとより、最近では、ヤフー、楽天などのポータル
サイト、アスクル等のカタログ販売がこれに該当するでしょう。
しかし、こういった利便性は、決して目新しいモノではなく、実は昔
から、日本の商売の中にありました。
たとえば、富山の薬売り、あるいは、出入りの酒屋や米屋は、まさ
にこういった利便性を売り物にする商売だったのではないでしょう
か。
だからこそ、富山の薬売りの「顧客台帳」は、相当高額な対価で売
買されることにもなるわけで、そこに「顧客資本」の原点を見る気が
します。
「顧客資本」を増大させるための第一歩は、上記のような視点から、
まずは、顧客の立場に立った利便性追究にある、と考えてよいとい
えるでしょう。
■ 3. 今月の本棚
<『ひらがなで考える商い(上・下)』 伊藤雅俊著 日経BP社>
イトーヨーカ堂グループというと、今は鈴木敏文氏の名前が挙がる
ようになりましたし、彼を題材にすると、ビジネス書としては、必ず、
ベストセラーになると言われています。
その鈴木氏が、
「結局、僕は親父の手のひらで踊っていたようなものですよ」
あるいは、
「親父のところだったから、これだけのことが思い切りできた」
と言っている、その親父こそ、創業者、伊藤雅俊です。
伊藤雅俊氏のかつての著書は
『商いの道』
『商いの心くばり』
『伊藤雅俊の商いの心』
の3冊ですが、今回ご紹介する最新刊の著書を含め、すべてに
「商い」の文字が入っているところに、伊藤氏の「商人」としての、
強い思い入れがあるように思えます。
その伊藤氏も80歳を迎え、さすがのイトーヨーカ堂も、本体だけで
みると、従来の高収益体質からすれば、少々情けない状況に甘ん
じています。
この本は、ヨーカ堂という会社が成長していくありさま、いくつかの
困難にぶつかってそれを乗り越えてきた姿、あるいは、デニーズ、
セブンイレブンを始め、優秀な子会社を創り上げてきた経緯、等々
を通じて、伊藤氏の「商い」に対する考え方のすばらしさに触れる
ことができる貴重な本だと思います。
たとえば、セブンイレブンの契約に至る伊藤氏と鈴木氏のやりとり
などは、実際のドラマを見ているようで、文句なしにおもしろい。
お盆の合間にぜひご一読ください。
■ 4. おしらせ
山崎修一オープンセミナーのお知らせ
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次回のテーマは以下の通りです。
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- 3. 事業承継の真視点
- 4. おしらせ
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