いーかわらばん vol.181
- いーかわらばん
- 株式会社アウトオフィス
- 2005/06/15
- vol.181
▼INDEX▼
■ 1. 時の話題
<Windows XP の後にくるもの>
Windows XP の次に来る、次世代OS「Longhorn」(開発コード名)
は、2003年のマイクロソフトの発表によれば、高度なグラフィッ
クスと強固なセキュリティ機能を織り込んで、全く新しい使いやす
い環境を提供する予定でした。
しかし、新機能のいくつかを諦めるとともに、当初の出荷時期で
ある「2006年中」が、今回改めて「2006年末」に微妙に変更さ
れました。
その背景には、いくつかの理由があるようです。
一つは、次のOSの出荷が長引いたことで、XPがあまりにも市場
に浸透してしまったことです。
マイクロソフトが、メーカーに対して、新OSのためだけに新しい機
構を開発してくれ、と要請するのは、難しい状況になってしまいまし
た。
もう一つは、検索機能と文書フォーマットも重要な勝負どころとして
いた新OSの考えからすると、「Google」と「PDF」の普及の度合いが、
想像よりもはるかに大きくなってしまったことです。
「Google」はWeb検索のみならず、パソコン内部の検索にまで進出
してきて検索ナンバーワンの地位を確立しています。
一方、「PDF」も、仕様公開、WEB対応を推し進めて、標準文書の
フォーマットとして絶対的な地位を築いています。
もちろん同時にリナックスの普及も焦る要素です。この新OSの機能
がたいしたものでなければ、ユーザーのXPからの移行は、かなり遅
れることになるとともに、リナックスの普及をさらに促すことになるで
しょう。
「MSN検索サービス」や「Metro」のレベルで、かつて「1-2-3」や「一
太郎」を駆逐したように逆転できるのか、また、リナックスに比較して
新OSがより独占的な地位を占めることができるのか、興味深いとこ
ろです。
■ 2. 山崎発、経営を考える
<四つの目に見えない資産>
前回の最後に、「目に見えない財産」の貸借対照表については、
①経験資産
②認知資産
③定型資産
④制度資産
といったものに分類することがある、ということをお話ししました。
これらについて、ひとことずつ、説明をしておきましょう。
(詳しくは、
・紺野登著 『知的資産経営』 日本経済新聞社
・岡田依里著 『企業評価と知的資産』 税務経理協会
を参照してください)
経験資産とは、過去の経験や活動の中から企業内に蓄積された目
に見えない資産です。たとえば、ノウハウ、組織文化と言ったものが
これに当てはまるでしょう。
認知資産とは、一般消費者、得意先など、市場において顧客に認め
られた資産で、ブランドがその代表的なものです。
また、定型資産とは、文書化された技術や製品仕様、業務プロセス
などで、たとえばISOなどで作成するマニュアル、基準等はその典型
ということができます。
最後に、制度資産とは、顧客ネットワーク、物流ネットワーク、研修
プログラム、あるいは最近数回問題にしてきた顧客関係性など、会社
の中に蓄積された制度化された仕組みを言います。
どれもこれもが重要ですが、おそらく「特許権」(多分「定型資産」に
入ると思います)などを除いて、貸借対照表に表すことは不可能です。
最近はブランド評価の研究などが進んでいるとはいえ、制度会計とし
ては、金銭的評価のできるものしか計上できないのが実情だからです。
しかし、経営という側面から「細かい正確な評価をしなくてもいい」と割り
切れば、この「目に見えない財産」に基づく貸借対照表を作成してみる、
といった姿勢、視点は、大変重要でしょう。
これこそが、「深さの強み」の源泉であることも、おわかりいただけると
思います。
■ 3. 今月の本棚
<『ヒット学』 吉田就彦著 ダイヤモンド社>
~チェッカーズ、CHAGE&ASKA おニャン子等をヒットさせた男~
「ニホンのみなさん、コンチワ!」
「退屈なこの都市へ、退屈退治にやってきた!」
遙か、キューシューアイランドはクルメタウンから、トーキョーシティ
の退屈を退治するためにやって来たチェッカーズとは?!
チェッカーズ七ヶの約束
①チェッカーズは、ニホンの芸能芸術労働者として、よく学び、よく
食べ、ニホンの芸能芸術界をメチャクチャにエキサイティングな
ものにします。
②チェッカーズは、「無名→一部有名→大部有名→超有名」(パチ
パチパチ!)」のプロセスで世に出るわけですが、英国女王陛下
や米国大統領に勲章を頂戴するほどになっても、無名時代の「明
日への希望」と「ファンの掛け声・はげまし・プレゼント」を絶対に
忘れません。
③ ・・・(以下略)・・・
以上は「無印良品」等のコンセプトメーカーとして脚光を浴びていた秋
山道夫氏の作成したチェッカーズデビュー企画書をこの本の中から
抜粋したものです。
著者の吉田氏は、長い間ポニーキャニオンに在籍し、チェッカーズを
始め、中島みゆき、おニャン子クラブ、CHAGE&ASKA、加藤いづみ、
平松愛理、薬師丸ひろ子&原田知世の角川映画、さらには、『踊る
大捜査線』、『だんご三兄弟』等、音楽や映像の分野で、次々に大ヒッ
トをとばしてきた、ヒットメーカーです。
またその後、デジタルガレージの副社長を歴任し、IT事業にも関わっ
ています。
自身がとばしてきたヒットを振り返ってみると、そこには六つのヒットの
法則が見いだせる、と彼は言います。
<法則1>ミスマッチのコラボレーション
<法則2>明確なコンセプト
<法則3>常に新鮮な驚き
<法則4>継続性・連続性
<法則5>付加価値
<法則6>顧客との会話や顧客同士の情報交換
最初に示したチェッカーズは、このうち<法則1>のミスマッチを創り出
した例として挙げています。
ヒット商品を創り出すために、大いに参考になると同時に、新しい視点が
生まれる、とにかく面白い本です。ぜひ、ご一読ください。
■ 4. おしらせ
山崎修一オープンセミナーのお知らせ
日時:6月16日(木)10:00~16:30
テーマ:『新規事業の発掘と立ち上げ方』
お問い合せ:三重銀経営者クラブ
詳しくは:http://www.miebank.co.jp/mir/mkc/kenshu18.html
日時:6月22日(水)10:00~17:00
テーマ:『何が何でも成功させる新規事業の発掘と立ち上げ方』
お問い合せ:UFJ総研 052-221-0865
詳しくは: http://www.ufji.co.jp/info/index.html
日時:6月23日(木)13:30~16:30
テーマ:『日本型成果主義経営はこう創る』
詳しくは: http://www.kobe-cci.or.jp/
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次回のテーマは以下の通りです。
- 1. 時の話題
- 2. 山崎発、経営を考える
- 3. 事業承継の真視点
- 4. おしらせ
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