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いーかわらばん vol.177

  • いーかわらばん
  • 株式会社アウトオフィス
  • 2005/05/18
  • vol.177

▼INDEX▼

■ 1. 時の話題

「洋服の青山」と「2007年問題」

■ 2. 山崎発、経営を考える

○○にとってのナンバーワン

■ 3. 今月の本棚

『聖徳太子はいなかった』 谷沢永一著 新潮新書

■ 1. 時の話題

<「洋服の青山」と「2007年問題」>

郊外型紳士服専門店「洋服の青山」を展開している青山商事は、
専務の青山理氏が6月29日付で社長に昇格する人事を発表し
ました。

青山理氏の父親、青山五郎氏が『非常識の発想』という著書を
出版したのが1993年、タカキューを抜いて紳士服の売上ナン
バーワンに躍り出たのがその2年前の1991年でした。

注目すべきは、社長交代と同時に執行役員制を導入し、14名の
取締役を6人に減らすと同時に、役員陣の平均年齢を10歳近く
若返らせることです。

なぜこれほどの若返りが必要なのでしょうか。

そこには「2007年問題」が潜んでいるようです。「2007年問題」
は、このいーかわらばんのvol.160の「時の話題」でご紹介いたし
ました。
http://www.nksy.co.jp/kawaraban.htm

しかし、そこでは主として、日本の生産現場を支えてきた優秀な
「匠のわざ」をもった人たちの定年現象に焦点を当てました。

一方、青山商事など郊外型紳士服店にとっては、その中心顧客
だった団塊世代が、大量に定年退職という状況を迎えると、今後
は、10代~20代といった若年層をどれだけ取り込むことができ
るかが、勝負になる時代がやってきます。

そのための必死の若返りということですが、そういえば、数年前に
ある研修で、「2007年問題」がもたらすプラスとマイナスの影響と
いうブレーンストーミングを行ったときも、この話題が出ていたこと
を思い出します。

皆さんのビジネスに直接関係があるか否かはともかく、影響のプラ
スマイナスを整理することは無駄ではないかもしれません。

■ 2. 山崎発、経営を考える

<○○にとってのナンバーワン>

「深さ」の強みを実現するための4つの概念、
①個客シェア 
②個客接触時間
③商品・サービスの便益生態系 
④顧客の深堀り 
のうち、今回は、④顧客の深堀りについて考えましょう。

これは、本来の「深さ」の追求ではありません。その証拠に、「個客」
ではなく、「顧客」という漢字を用いています。

すなわち、ターゲットとして顧客群のうち、取りこぼした顧客はないか、
あるいは、その近隣に類似のニーズを抱えた顧客群は存在していな
いかといった、従来から本能的にやっている手法です。言い換えれば、
ターゲットとした顧客群全体から見た「深さ」の強みです。

しかし、ここには、従来からの戦略だといって済まされない重要なメリ
ットがあります。

それは、成熟時代に圧倒的に重要なナンバーワン戦略が、商品の視
点ではなく、顧客の視点から構築できる点です。すなわちターゲット顧
客にとってのブランドになりうる、という点です。

難しい表現になりましたので、例をとりましょう。

通常、ナンバーワン戦略と言えば、商品からみています。乗用車にお
けるナンバーワン、音響機器におけるナンバーワン、といったように、
「○○におけるナンバーワン」の○○には、商品群の名前が入ります。

しかし、何回も例にとってきたアスクルを考えると、個々の商品それ自
体には何のナンバーワンもありません。前回お話ししたように、商品
生態系として価値を持つということは、ターゲットとした「総務系の人た
ち」にとって、ナンバーワンの存在であるということなのです。

言い換えれば、「○○にとってのナンバーワン」の○○には、顧客群の
名前が入るのです。

これは非常に重要です。なぜなら、これが実現しつつあるときには、そ
の顧客群のあいだでブランド力が構築され、結果として、大きな口コミ
効果を生むことになるからです。すなわち、これこそが「ご指名経済」
における、ナンバーワンを意味するのです。

■ 3. 今月の本棚

<『聖徳太子はいなかった』 谷沢永一著 新潮新書>

今回はビジネス書の領域から飛び出して、ちょっと古代史に寄り道
をしてみましょう。

この本の書き出しは、

 「みんな知ってる、あの文句。

 日出ズル処ノ天子、書ヲ日没スル処の天子ニ致ス、ツツガナキヤ。

 これ、聖徳太子が、中国の隋の皇帝に宛てた国書である、と長い
 間おしえられてきた。非常に大切な文書であるとの触れこみである。
 それほど貴重なのか。では、日本の歴史書の、どこに、記しとどめ
 られているのであろう。探すのはおよしなさい。我が国のいかなる
 書き物にも、ぜんぜん載っていないのである。・・・・・」

と、こんな調子です。

昔、小学校の先生に生徒たちがいっせいに話しかけると、先生は、
「私は聖徳太子じゃないんだから、いっぺんに全部聞けませんよ!」
と言ったものでした。

異能、超人とたたえられた聖徳太子には謎が多く、作られた偶像ゆ
えに、ほころび(矛盾)が多く見られる、それを解明した面白い読み
物です。

聖徳太子がいなかったことはすでに学会では常識になっているとの
ことで、それなら、教科書に出てくるのはもちろん、あの懐かしい1万
円札にも、「この肖像はフィクションであり・・・」の一文が必要ではな
かったでしょうか(笑)。

疲れたときにご一読ください。

■ 4. おしらせ

山崎修一オープンセミナーのお知らせ
  
  日時:6月16日(木)10:00~16:30
 テーマ:『新規事業の発掘と立ち上げ方』
 お問い合せ:三重銀経営者クラブ
  詳しくは:http://www.miebank.co.jp/mir/mkc/kenshu18.html

  日時:6月22日(水)10:00~17:00
 テーマ:『何が何でも成功させる新規事業の発掘と立ち上げ方』
 お問い合せ:UFJ総研 052-221-0865
  詳しくは: http://www.ufji.co.jp/info/index.html

  日時:6月23日(木)13:30~16:30
 テーマ:『日本型成果主義経営はこう創る』
 お問い合せ:神戸商工会議所 人材開発センター 078-303-5808

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http://www.nksy.co.jp

次回のテーマは以下の通りです。

  • 1. 時の話題
  • 2. 山崎発、経営を考える
  • 3. 事業承継の真視点
  • 4. おしらせ

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