いーかわらばん vol.165
- いーかわらばん
- 株式会社アウトオフィス
- 2005/02/16
- vol.165
▼INDEX▼
■ 1. 時の話題
<やりたいことに忠実になれ!>
「やりたいことに忠実になれ!」は、前回のいーかわらばんの「今月の本棚」
で大前研一氏の「考える技術」をご紹介したときに引用した見出しです。
そこでは、
この本全体を読みながら、ずっと考えていたことは、真からやりたい、挑戦
してみたい、と思うものを持ち、そのことの実現のために必死に「考えて」い
る主体的な人が、今の日本にどれだけいるだろうか、という点です。
と敢えて記しました。
この1週間、「やりたいこと」を巡って、さまざまな場面で、さまざまな方と議論
をする機会がありました。読者の方の中に、「そうそう、そのテーマで話をしたな
あ」と思い当たる人が、10人くらいはおられるのではないでしょうか。
ある場面では、こんな話がありました。
後継者が社長になるに当たって最も重要なことは、先代の会社を義務的
に自分が継ぐ、といった姿勢ではなくて、自分のやりたいことを実現するため
に、先代の会社を利用する、取り込むといった視点ではないか・・・
もちろん、後継者には、現実に幾多のしがらみがあることは間違いのないので
すが、そういった「やりたいこと」を軸にした主体的な視点があれば、自ずと前向
きな解決策が生まれてくるのではないかと思います。
また、ある場面では、こんな話もありました。
昔は、自分はこうしたい、ああなりたい、という思いを多くの社員が持っていて、
その実現のために、たとえば人前で話すことを克服しなければならないと思っ
たら、密かに日曜日に話し方教室に通ったりしたものだけど、最近、そういう
ことにどれだけの人が、どれくらいの時間をかけているだろうか・・・
個人的趣味だけではなく、仕事上においても、したいことの実現のために、お金
と時間とエネルギーをどれだけ「自己投資」しているか、となると確かに疑問です。
小さいときには、若いときにはやりたいこと、夢がいっぱいあったはずなのに、塾に
通い、受験を経験し、現実の社会の壁にぶつかるうちに、その思いがいつの間
にか消えていき、目の前にあることをただこなしているだけの状況が当たり前にな
っているような気がする
と語っていた某会社の40前の男性社員の方もいました。
やりたいことを持つこと、それを実現するために壁を克服し、さらにそのやりたいこと
をより高いレベルに昇華していくこと、それが、大げさですが、価値ある人生をおくる
ためには非常に大切なことだという価値観がもっともっと浸透しなければならない、と
感じている人は多いようです。
この価値観こそ、このかわらばんの「経営を考える」でも再三お話しした「What構
築能力」の前提でしょう。こういった価値観をより多くの人が持つために、みなさんの
会社では、どんな仕掛けをしておられるのでしょうか?
■ 2. 山崎発、経営を考える
<箒状の生産体制>
ここ3回にわたって、「面倒くさいところほどおいしい!」と題して、多頻度
少量受注、衰退産業、公的産業の三つを取り上げました。
これから数回は、その面倒くさいところをどういう方法で、おいしいモノに仕
上げていくか、という点について考えてみましょう。なぜなら、いくら面倒くさ
いところに注目したところで、面倒くさいと感じる状態のままで放っておいて
は、決しておいしくなるはずはないからです。
その第一は、すでにご説明をした「箒状の生産体制」です。
(2004/12/22発行 vol.158 をご参照ください)
そこでは、デルコンピュータやCoCo壱番屋を例として取り上げました。
まず、箒の先の部分について。
どんなに面倒くさくても、絶対に失ってはならない顧客にとっての価値
を感じる部分はどこか、を徹底的に考え、生み出さなくてはなりません。
もちろん、ここは考えただけで魔法のように答えが出てくるわけはありません。
わからなければ、とことん顧客の声に耳を傾けなければならないのですが、
顧客に聞いたからと言って、ただちに答えが得られるわけでもありません。
考えては聞き、聞いては考え、やってみては聞き、聞いてはやってみる・・・
残念ながら、この繰り返ししかないのです。もちろん、大事なことはこのときに
何をどう考えるか、にあるわけで、それを通して仮説、検証の仕方を体得し
ていくしか道はありません。
「面倒くさい」との関連で、顧客価値の最近の重要な一つの傾向は、この
商品やサービスは「私のこと考えてくれている!」という実感です。言葉を換
えれば、「私はこんなモノが欲しかった、私のことよくわかってくれているなあ」と
いう感動の重要性です。
企業側から見れば、この「あなたのために」という要素をどれだけ鮮明に織り
込むか、を最優先して考えることが重要です。どんなに面倒くさくても、「ここ」
ははずすべきではない、という「ここ」を探り当てること、これがスタートです。
次回は、箒の柄の部分のシステム化について考えてみましょう。
■ 3. 事業承継の真視点
<持株会社について ~第4回 持株会社の作り方 その1~>
持株会社について、①その定義、②経営的側面から見た機能、③事業
承継という側面から見た機能、の三つについて、お話をしてきました。
ここからは、いかにして持株会社を作るか、についてお話を進めることにしま
しょう。
当たり前ですが、持株会社は、株を持たなければそう呼ぶことはできないわ
けですから、持株会社の作り方は、いかにして株を取得するか、ということと
イコールになります。
大きく分けて、三つの方法があります。
① 株式を売買により取得する方法
② 株式交換、株式移転、会社分割等の方法により取得する方法
③ その他の方法
それぞれについて詳しくご説明をすると、分厚い本一冊をこえるボリュームに
なってしまいますので、重要な注意点についてのみ、考えることにします。
まず今回と次回は、①の売買における注意点です。
ここで、最も気をつけなければならないのは、いくらの金額で買い取るべきか、
という点です。
もちろん、売買ですから、売り手側の売りたい価格と、買い手側の買いたい
価格の一致した点で、取引を成立させてよいのです。
問題は税金面です。
ここで、税務上問題のない(いわゆる課税の生じない)価格は?というとこ
ろはしっかりと理解しておかなければならないでしょう。
教科書的に言えば、これは、相続のときに適用される価格(たとえば類似
業種比準価額)と一致するとは限らない、という点に注意してください。
相続税法は、相続という行為、贈与という行為についての、個人に対する
課税を取り仕切る法律であって、持株会社といった法人が絡んでくると、別
の法律、すなわち法人税法が適用されることになるからです。
では、法人税法では、いかなる価格を想定しているのか、次回はその点に
ついてご説明をしましょう。
■ 4. おしらせ
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次回のテーマは以下の通りです。
- 1. 時の話題
- 2. 山崎発、経営を考える
- 3. 財務ホット情報
- 4. おしらせ
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