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いーかわらばん vol.157

  • いーかわらばん
  • 株式会社アウトオフィス
  • 2004/12/15
  • vol.157

▼INDEX▼

■ 1. 時の話題

ゼロサムからプラスサムへ 

■ 2. 山崎発、経営を考える

便益生態系の構築-その1-

■ 3. 事業承継の真視点

持株会社について ~第2回 持株会社の機能~

■ 1. 時の話題

<ゼロサムからプラスサムへ >


先週号のかわらばんの「今月の本棚」の説明文の中に、
 「ゼロサムの報酬」よりも「プラスサムの報酬」を大切にする
  こと
という一文がありました。

皆さんから、ゼロサム、プラスサムについてのご質問を多数
いただきましたので、簡単にご説明をいたします。

ゼロサムとは、その言葉通り、「合計すればゼロになること」
を意味します。すなわち、ある人が得をすれば、ある人が損を
する、といったようにトータルが決まっているようなイメージです。

一方、プラスサムとは、合計すればプラスに作用する、言い換
えれば、ある人が得をしたからといって、他の人が必ずしも損
をするわけではなく、お互い得をすることが可能、といった関係
が成立している状況を指します。

したがって、「ゼロサムの報酬」とは、主として金銭による報酬
や、役職というかたちで報いる報酬のことかな、と想像がつくの
ではないかと思います。

給料、賞与、役職といったものは、短期的・一時的には、必ず
限界があって、ある人が増えれば、他の人はその分減る、と
いった関係にあるからです。

一方、仕事をしたことによって得られる、能力アップ、人格アッ
プといった報酬は、それを報酬ととらえることができれば、ある
人がアップしたからといって、他の人がダウンするわけではあ
りません。だから「プラスサムの報酬」なのです。

これからの情報社会、知識社会においては、このプラスサムの
報酬を大切にしなければ、全体としてのレベルアップは図れな
い、というのがご紹介した本での趣旨でした。プラスサムを大切
にすることにより、中長期的に、給与といったゼロサム報酬も、
ゼロサムからの脱却が可能になるのです。

もともとゼロサムという言葉は、経済学者、レスター・サローが
著した『ゼロサム社会』という本で一躍有名になりました。成熟
時代こそ、情報、知識等の目に見えない価値に着目し、ゼロ
サム的閉塞感からの脱却を目指す必要があります。

したがって、われわれのビジネスそのものがゼロサムに終始し
ていないか、たとえば宅急便のように、プラスサムの価値を生
み出すビジネスを創造しようとしているかどうか、真剣に振り返
るべき持代だと思います。

■ 2. 山崎発、経営を考える

<便益生態系の構築-その1->


さて、前回ご説明をした「便益生態系」はどのようなプロセスで、
構築していけばよいのでしょうか。

もちろん、こういったことは、実際には、試行錯誤の繰り返しの
中から少しずつ見えてくるものであって、最初から理論的にき
れいに導き出せるはずもないのですが・・・。

まず、最も重要なことは、ターゲット顧客について、BtoBならワ
ークシーン、BtoCならライフシーンをできるだけ正確に把握す
る必要があるという点です。

方法としては、一定の顧客にピタッと張り付いて把握する方法、
ヒアリング活動から推定する方法、あるいはCRM(カスタマー・
リレーションシップ・マネジメント)といった手法を駆使して把握
する方法等が考えられます。

次に、以上から得られたシーンをもとに商品化・サービス化す
る際、顧客にとって、本当にあるとありがたいモノは何なのか、
を抽出する必要があります。特に、BtoBの場合、顧客の得意
としているものや、プライドを持っているものに手を出すことは
タブーと言えるでしょう。

さらに、今度は供給側、需要側双方の視点から、コアビジネス
と付加ビジネスを区別して整理しておくことも、重要な点です。
コアビジネスとは、供給側からすれば、自分たちの強みであっ
て自らのノウハウで仕掛けることが可能な領域の商品・サービ
スです。需要側からすれば、購入量、消費量の最も大きい中
心的商品・サービスです。

以上の シーンの把握、シーンの抽出、コアと付加の区別の次
に考えることは、なんと言っても差別化要因です。

もちろん、これらの商品・サービスがワンストップで手にはいる
ことが、「利便性」という大きな差別化要因にならなければなら
ないのですが、個別の商品・サービスについても、従来との違
いがアピールされる必要があります。

そして次の段階は、商品・サービスの提供プロセスのシステム化
です。これについての説明は、長くなりますので、次回に繰り越す
ことにしましょう。

■ 3. 事業承継の真視点

<持株会社について ~第2回 持株会社の機能~>


持株会社制度は、いろいろな観点から価値ある経営体制の一つ
です。しかし、それを採用するかどうかは、下記に整理したような
メリットとデメリットを十分認識した上で検討する必要があります。

ここでは、事業承継という視点を、いったんはずした上で、経営論
としての持株会社制度のメリット、デメリットを考えてみましょう。

持株会社のメリットとしては、大きく次の二点に集約できます。

第一に、「グループ戦略と個別事業の分離」です。

すなわち、持株会社は、各個別事業会社の株式を保有し、株主
権限を持つわけですが、そのことにより、企業グループ全体の戦
略立案機能と、全社的視点からの効率的な経営管理システムの
構築機能、さらに、全社的視点からのリスクマネジメント機能をも
つことになります。

一方、各事業会社は、管轄するビジネスを推進することに全精力を
注ぐ、といった使命を帯びることになります。各事業会社の評価も、
かなり明確に行うことが可能です。

第二に、経営構造変革のスピードアップです。

全体を統括する会社と、各事業を推進する各会社に分かれている
ことは、合併、分割、M&A等の経営構造を変革するに当たり、それ
に関連する会社間の調整だけでこと足ります。

あるいは、就業規則、組織風土があまりにも違う会社を統合する場
合などは、持株会社の傘下に、新会社を編入するだけで、グループ
入りを完結させることが可能です。

さらに、ある事業が行き詰まった際にも、スピーディに解散、廃業、
事業売却等が可能になることは、ご理解いただけるでしょう。

次に、持株会社のデメリットとしては、次の三点に集約できるでしょう。

第一点は、求心力の低下です。これは、メリットの裏返しですが、各
事業会社の自立性を高めることは、統一した方向性を薄めることに
なることは当然の帰結です。

第二点は、間接業務等の増加です。各事業会社が自立性を強める
ことは、それぞれに間接業務を遂行するための人や部門が必要と
なることを意味します。間接業務を主たる事業とする別会社を作る
ことで、ある程度の効率化は可能ですが、重複する部分を完全に
除去することはできません。

第三点は、今の日本の税制においては、100%子会社等、一定の
条件を満たす場合を除き、連結納税制度が認められないため、ある
事業会社で生じた欠損金を、他の会社の利益で相殺できない、とい
う点です。

次回は、これらの経営的機能から離れて、事業承継という視点から
持株会社の意義を考えてみましょう。

■ 4. おしらせ

★冬期休暇のお知らせ★

12月29日(水)~1月4日(火)
1月5日から通常通り営業を開始させて頂きます。

山崎修一オープンセミナーのお知らせ
  
 今年度の講演は全て終了致しました。


アウトオフィス及び財務のお客様へのお知らせです。

6月から、簡易監査を実施しています。
買換金、支払手形等の監査が終了したところからは、その他経過勘定
    項目の監査に入らせて頂きます。
ご協力お願い致します。

担当:財務指導部 山本雅文

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次回のテーマは以下の通りです。

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  • 2. 山崎発、経営を考える
  • 3. 財務ホット情報
  • 4. おしらせ

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