いーかわらばん vol.156
- いーかわらばん
- 株式会社アウトオフィス
- 2004/12/08
- vol.156
▼INDEX▼
■ 1. 時の話題
<納豆樹脂>
「納豆樹脂」をご存じでしょうか?
納豆は、好きな人と嫌いな人が両極端な食べ物の一つです。
からだによいといわれながら、嫌いな人の最大の理由は、あ
の糸を引くねばねば感と、独特の臭い!
しかしあの、納豆のネバネバが、将来の地球を救う救世主に
なるかもしれない、として研究開発されたのが、「納豆樹脂」
です。
納豆のねばり気は、グルタミン酸が5000個程度つながってで
きたポリグルタミン酸によるものですが、その納豆の糸に特殊
な細工を施すととても硬い樹脂になるそうです。
この樹脂の最大の特徴は、自分の重さの5000倍の水を含む
ことができることで、水を含ませてゼリー状にしたり、加工して
普通のトレー容器も作ることができます。開発したのは、九州
大学の原敏夫先生。
http://www.kyushu-u.ac.jp/magazine/kyudai-koho/No.2/kenkyu-2.htm
しかし納豆1kgから1gの糸しか取れないのが難点でした。そこ
でグルタミン酸の水溶液に納豆菌をいれ培養すると、1リットル
の水溶液から30~40gの糸が取れるようになったそうです。
さらにこの糸を樹脂にするには放射線をあてなければならず、
このコストが高いという問題もありましたが、電子線照射での
樹脂化の研究がされているようです。
この樹脂に植物の種を入れ、荒れた山や砂漠などにおいておく
と、わずかな水でも吸収して逃さないため、種に水分を補給でき
ます。そして、さらに時間がたつと、樹脂そのものが自然に帰っ
てしまう…。
地球砂漠化防止は納豆の糸、こんな時代が来るのかもしれま
せん。
■ 2. 山崎発、経営を考える
<「便益生態系」競争>
前回のミスミの飲食店向けビジネスは、食材に始まり、ゴキ
ブリ駆除や廃油回収に至るまでのサービスが取り揃えられ
ていました。
少し前に話題にしたアスクルのケースはどうだったでしょうか。
プラスの関連会社というところからスタートした性格上、当初
は文房具の通販というイメージが強くありました。
しかし、やがて、「日用品購買にそれなりの権限を持った中小
企業の総務系の人たち」をターゲットにしたビジネスに進化して
いったように思えます。
すなわち、文房具のみならず、飲料やオフィス家具、あるいは
蛍光灯、パソコンやその周辺機器、備品へとその取扱領域を
広げていった背景には、やはり、ターゲットを鮮明にしたうえで、
彼らの悩みや問題点を徹底的にトレースする、といった姿勢を
垣間見ることができます。
「○○向けビジネス」が優位である理由の一つは、ある一定の
範囲の人にとって、ありがたい商品群、サービス群が、ワンテ
ーブル、ワンショッピングで手に入る利便性を創造しやすいとこ
ろにあります。
この商品群、サービス群を、少々難しい表現ですが、私は、
「便益生態系」と名付けることにしています。
成熟時代においては、ほとんどの業種において、商品そのも
のの品質だけでは、なかなか差を付けることができなくなって
きています。
こういう時代には、商品そのものの競争というよりは、この
「便益生態系」をいかに上手く構築し、ある範囲の顧客にとっ
て、より便利な生態系を感じさせる競争になる傾向が強くなっ
ているように思うのです。
次回は、その便益生態系について、いかにしてそれらを構築
していくか、整理してみたいと思います。
■ 3. 今月の本棚
<『これから働き方はどう変わるのか』田坂広志著>
先週号の「時の話題」で二人の石切り職人のお話を引用した
ところ、この本に対するご質問が相次ぎました。そこで、急遽、
そのご紹介をしたいと思います。
すでに、刊行されて1年以上を経過した本ですが、その中身は
確実に一読に値します。まず、経営者が読んで、次に幹部、そ
して、できれば従業員全員に読んでもらいたい、と願う本です。
とりあえず目を通すだけなら、2時間ぐらいあれば十分です。
序話として、先週のあの石切り職人の話から始まり、第1章の
テーマは、
なぜ、我々は「働く喜び」を失ってしまったのか
です。
そこでは、報酬に着目し、
・「目に見える報酬」よりも、「目に見えない報酬」を深く見つめること
・「自ら求めて得るべき報酬」と、「結果として得られる報酬」を混同
しないこと
・「ゼロサムの報酬」よりも「プラスサムの報酬」を大切にすること
を訴えています。
また、第2章では、
すべての人々が「社会起業家」となる時代
というテーマで、これからの時代は、誰でも「社会起業家」としての
働きができるようになるとし、その六つの理由を整理しています。
また第3章では、
社会起業家としての働き方「七つのスタイル」
について述べています。ここは、本当に大切なところで、経営者は
もちろん、幹部、従業員が真にこれを理解し、意識し、この方向へ
進んだら、素晴らしい自立型組織ができあがるだろうし、日本の
成長にもつながるだろうと思います。
冒頭に申し上げたように、経営者、幹部のみならず、少しでも多く
の社員の方に読んでいただきたい本です。
■ 4. おしらせ
★冬期休暇のお知らせ★
12月29日(水)~1月4日(火)
1月5日から通常通り営業を開始させて頂きます。
山崎修一オープンセミナーのお知らせ
日時:2月4日(金)10:00~16:45
テーマ:『失敗しない事業承継 オーナー社長の打つべき手』
お問い合せ:SMBCコンサルティング
詳しくは:http://www.smbc-sem.com/kansai/month/200502/sem0502_01.html
アウトオフィス及び財務のお客様へのお知らせです。
6月から、簡易監査を実施しています。
重要な項目の監査はほぼ終了致しました。残り貸借対照表上勘定科目
特に経過勘定に関する監査にに入らせて頂きます。
ご協力お願い致します。
担当:財務指導部 山本雅文
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途中購読の方で興味のある方は弊社ホームページをご覧下さい。
http://www.nksy.co.jp
次回のテーマは以下の通りです。
- 1. 時の話題
- 2. 山崎発、経営を考える
- 3. 事業承継の真視点
- 4. おしらせ
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