いーかわらばん vol.150
- いーかわらばん
- 株式会社アウトオフィス
- 2004/10/20
- vol.150
▼INDEX▼
■ 1. 時の話題
<フィリピン人介護士・看護士>
今フィリピンとの間で、介護士・看護士の日本市場の開放につい
てのガイドライン作りが進んでいます。
これは、今年の9月初めに開催された、日本とフィリピンの自由
貿易協定(FTA)交渉の場においてフィリピン政府が改めて要望
したものです。
年間、併せて2万人に迫る看護師や介護士を世界各国に送り出
している、「介護先進国」といわれるフィリピンは、日本に対しても
労働力=外貨の稼ぎ手を輸出したいと、前々から望んでいました。
フィリピンの介護士養成学校では、介護技術はもちろん、近い将
来、日本に受け入れられることを前提に、日本語や日本の習慣、
たとえばお箸の使い方を教えるところもあるそうです。
一方、9月6日には、東京渋谷のビルの一室で、在日フィリピン人
だけを対象とした、日本初のホームヘルパー2級養成講座がスタ
ートしました。
このように受け入れ準備は着々と進んでいますが、日本政府は、
介護関係の人手不足を解消するというメリットとともに、日本人の
介護士等が職を失ってしまう、といったデメリットも生ずるとして、受
け入れ人数の制限、資格取得ができなかった場合の強制帰国など、
かなり厳しい条件を出しています。
また、一方、日本ではコスト高、人手不足で24時間介護を受けら
れない身障者の一部では、フィリピンへ移住する人も増えてきま
した。レベルの高い親切な24時間看護が、月額27,000円程度で
受けられます。
今後、老人大国日本において最大の問題に発展しつつある介護
の問題は、これから日増しに深刻化していくでしょう。フィリピン人
の受け入れ問題、フィリピンへの移住問題が今後どのように進展
していくか、注目です。
■ 2. 山崎発、経営を考える
<川上川下逆転現象の本質-その2
~購買代理機能としての事業定義~>
前回は、「川上川下逆転現象の本質-その1」として、顧客接点
における営業機能の役割の変化を取り上げ、「顧客探し」から「商
品探し」へ、というお話をしました。
今回はその2として、購買代理機能としての事業の定義づけにつ
いて考えてみます。
販売代理店という言葉はなじみです。○○保険の販売代理店であ
るとか、○○自動車の販売代理店であるとか・・・しかし、これは紛
れもなく、メーカーを川上と考えた従来発想です。
それに対して、「購買代理店」という言葉があります。これは、私の
知る限り、ミスミという通販カタログ会社の前社長、田口弘氏が言
い出されたと思うのですが、まさに川上川下逆転を意味する表現
です。
すなわち、顧客の視点に立って、顧客が欲しいと考えている商品や
サービスを取りそろえて差し上げる機能をもったお店、ということで
しょう。
さて皆さんは、販売代理ですか、それとも購買代理ですか。
頭や口では、「顧客の立場に立った購買代理機能」と言いながら、実
際の思考はやはり販売代理機能になっているケースをよく見ます。
それは、「どんなご商売ですか?」とお聞きしたときに顕著に表れます。
売っている商品、提供しているサービスをもって、定義している場合は
販売代理機能の要素が強いのです。
たとえば、ある問屋さんが、「文房具を売っている会社です」と言った
場合、それは販売代理機能からの定義です。もし、購買代理機能から
の定義をするなら、「事務用品の購買担当者向けビジネスです」と言
わなければならないのです。
そして、もし「事務用品購買担当者向けビジネス」であるならば、その
担当者が日常、どのような商品やサービスを必要としているか、それ
を取りそろえて差し上げる、といった発想が生まれるはずです。
アスクルが文房具だけでなく、飲料や蛍光灯、事務用家具、パソコン
等といった品揃えをし、あるいは、予算を超える発注があったときには
警告を発する、といったサービスに及んだのは、こういった定義づけを
していたからにほかなりません。
もちろん、購買代理機能、すべてよし、といっているわけではなく、そう
いった定義の仕方をしてみることも、川上川下逆転を自社のシステム
に取り入れる大きなヒントになり、本質を探ることにつながる、ということ
なのです。
■ 3. 事業承継の真視点
<少数株主を侮るな!>
先月は、ずっと後で怖い思いをする名義株のお話をしました。今回は、
その延長として侮ってはいけない少数株主のお話をしましょう。
商法では、俗に、単独株主権、少数株主権という言葉が使われています。
単独株主権とは、持株数に関係なくすべての株主が行使できる権利です。
一般に自益権と呼ばれているような議決権や、配当を請求できる権利など
は、単独株主権に属します。
一方、少数株主権とは、一定数の株式を有する株主のみが行使できる権
利のことをいいます。上場会社ならばともかく、中小企業においては、それ
ほどの持分ではない感覚でつい安心しがちですが、商法はこの少数株主
にいろいろな権利を与えています。
たとえば、株主代表訴訟。
商法267条は、6ヶ月前より引き続き株式を所有している株主は会社に
対して書面をもって取締役の責任を追及する訴えを提起することができる、
としています。
また、帳簿閲覧権も要注意です。
商法293条の6は、議決権の3%以上を所有している株主は、書面をもっ
て帳簿等の閲覧や謄写を請求することができる、としています。
あるいは、株主総会招集権。
商法237条は、6ヶ月前より引き続き3%以上の議決権を有している株主
は、書面をもって取締役に対して株主総会の招集を請求することができる、
としています。
これ以外にもいくつか権利が認められています。絶対多数の株式を持って
いるからと安心してはいられません。
株式の買い取りの請求が来る可能性に対する対処はもちろん、こういった
権利に対応する準備を常に心がけることが必要でしょう。
特に事業承継を控えている中小企業の場合、こういった少数株主の存在は
後継者が社長になった後、お互い知らない間柄になるほど、やっかいな問題
を引き起こす可能性が大きくなります。
名義株の場合と同様、お互い知っているもの同士の段階で「ケリ」をつけて
おくことが望まれます。
■ 4. おしらせ
★臨時休業のお知らせ★
11月4日・5日は、社員旅行のため誠に勝手ながら
臨時休業させて頂きます。
よろしくお願い致します。
山崎修一オープンセミナーのお知らせ
日時:10月28日(木)13:30~16:30
場所:神戸商工会議所3階会議室
テーマ:『事業承継のための上手な自社株対策・節税対策』
お問い合せ:神戸商工会議所
詳しくは http://www.kobe-cci.or.jp/
日時:11月17日(水)13:00~18:00
場所:株式会社ジェイック セミナー室
テーマ:新規事業の発掘と立ち上げ方(仮題)
お問い合せ:株式会社ジェイック セミナー事業部
03-5282-7600
アウトオフィス及び財務のお客様へのお知らせです。
6月から、簡易監査を実施しています。
受取手形、売掛金の監査が終了したところから、買換金、支払手形等の監査
に入らせて頂きます。
ご協力お願い致します。
担当:財務指導部 山本雅文
いーかわらばんのバックナンバーをホームページに掲載しております。
途中購読の方で興味のある方は弊社ホームページをご覧下さい。
http://www.nksy.co.jp
次回のテーマは以下の通りです。
- 1. 時の話題
- 2. 山崎発、経営を考える
- 3. 財務ホット情報
- 4. おしらせ
【web】 https://www.nksy.co.jp
【mail】 mail@nksy.co.jp
☆弊社お客様並びに名刺を頂いた方にもお送りさせて頂いております。
突然の配信をお許しください。
☆展示会等のご案内を掲載させて頂きます、ご一報下さい。
☆メールマガジンの登録・解除は自由です。配信の解除・送信先メールアドレスの変更はお手数ですが、
mail@nksy.co.jp
にご連絡ください。
☆無断転送はご遠慮願います。