いーかわらばん vol.147
- いーかわらばん
- 株式会社アウトオフィス
- 2004/09/29
- vol.147
▼INDEX▼
■ 1. 時の話題
<情報社会では、情報がタダになる!>
この9月1日から検索サイトのGoogleに、無料のニュースが登場し
ました。http://news.google.co.jp/nwshp?hl=ja&gl=jp
全15カ国のニュースが、国別に、社会、国際、経済、政治等の
7つの分野に分かれて、時には写真入りで見やすく構成されてい
ます。
日本語ニュースの場合、600以上のニュースサイトが検索対象とな
っており、同一テーマの記事は独自にランク付けをしたうえで、分単
位で更新され、記事のアーカイブも原則としてありません。
「あまりにもただ乗りではないか!」「人のふんどしで相撲を取るにも
ほどがある!」などという批判も相次ぎ、毎日新聞や、産経新聞、
共同通信などはリンクを拒否しました。
こういった手法の是非はともかくとして、私は、ここに情報化社会の
重要な特徴を見いだすことができる、と感じます。
一つは、情報化社会が進化すればするほど、情報の価値は限
りなくゼロに近づいていく、という点です。
いわゆる知識やデータと呼ばれるものが、いつでも、どこでも、安く、
簡単に入手できることにより、それを保有していること自体、何の
強みにもならなくなりつつある、ということです。
裏返して言えば、それらを使って、新しいノウハウや、システムを構築
してこそ、初めて価値が生まれる、ということでしょう。
二つ目は、上記と関連して、田坂広志氏が述べているように、
「求められる人材」と「活躍する人材」は異なる!
という点です。
農業社会では、農作業のできる人が必要とされました。しかし、活躍
したのは、農民を活用した地主でした。、また、工業社会では、機械
を作ったり、使ったりできる人が求められました。しかし、活躍したのは、
それらを活用したホワイトカラーであり、資本家でした。
同じように、情報化社会で求められるのは、情報や知識を持っている
人や企業ですが、ほんとうに活躍したいと思うならば、それをノウハウ
やシステムに昇華させなければならないのです。
情報が限りなくタダになりつつある時代の中で、何を保有し、何を活
用すべきか、自分と自社を振り返って、再度見直してみてください。
■ 2. 山崎発、経営を考える
<気づきは論理か、感性か?>
新しいものを開発していくためには、「気づき」が欠かせない、という観点
から、サルの気づきを例にとり、動因、誘因、中心転換という心理学の
概念について説明をしてきました。
今回はその締めくくりとして、「気づきは論理か、感性か?」という問題
を整理したいと思います。
いーかわらばんの vol.143 では、生産的思考のプロセスを、
準備期→孵卵期(あたため期)→啓示期(ひらめき期)→検証期
と示しました。
気づく瞬間は、上記の啓示期(ひらめき期)に該当し、このひらめきは、
当然、感性の要素が強いのですが、その前後には、準備期、孵卵期、
検証期という、論理的思考の要素が欠かせないことを、このプロセスは
教えてくれています。
いいかえれば、考えて、考えて、考え抜いたその先に、感性が芽生える
ということを物語っています。
もちろんすべての気づきがこのプロセスを辿るわけではありませんが、少な
くともビジネスに関連して言えば、「論理か、感性か?」ではなく、「論理
も、感性も!」なのです。
ヤマト運輸の小倉さんが、吉野家の牛丼から宅急便の開発にたどり着い
たことも、寿司屋をみてセールスドライバーという概念を生み出したのも、
あるいはひょっとしたら、ニュートンがリンゴが木から落ちるのを見て万有引
力の法則を発見したといういうのも、考え抜いた後の感性でしょう。
考え抜かない感性は、単なる「当てずっぽう」でしかありません。もちろん、
一個人の中には、得意、不得意がありますから、反対の側面に強い人
とブレーン・ストーミングを自由にできるような環境が、企業として全体の
「気づき」を増すために必要になるでしょう。
■ 3. 悩みの相談室
<仲の悪い兄弟は分社させるべきか?>
[質問]
私には二人の息子がおり、長男41歳は当社の専務として、次男
38歳は常務として、それぞれの事業部のトップとして動いています。
ところがこの二人の性格は両極端です。保守的でおとなしい長男に
対し、次男は新しいモノが好きで危なっかしく、足して二で割ればち
ょうどいいのにと感じます。二人は何かにつけて張り合い、会議におい
ても、意見はことごとく対立し、お互いに責任のなすり合いが始まりま
す。
私は父親として、私亡き後も二人が協力しあって会社を盛り立てて
いってくれることを願っていますが、二人の様子を見るに見かねて周囲
からは、将来のために分社をすべきだ、との声も聞かれます。
どうすればよろしいでしょうか。
[回答]
後継候補の社長の息子が同じ会社にいて、うまくいくケースは、私の
知る限り、次の二つだけである、というと、ちょっと言い過ぎでしょうか。
① 兄弟間にあまりにも大きな能力差があって、しかも、本人たち
も周辺も、それを認めざるを得ないケース
② 兄弟二人ともそれぞれ異なった能力と役割が鮮明にあって、双方
がよくできた人間で、競うよりも補った方がはるかに有利だと、お互い
謙虚に認識しているケース
実は②のケースでさえ、最初はよくても、時とともに、周りが余計なこと
を言い出してうまくいかないケースが出てきます。今回のケースは、上記
①②のいずれにも該当しないと思います。
他の条件がわかりませんので確たることはいえませんが、もし可能ならば、
分社をおすすめします。
しかも、お互いほとんど資本関係、取引関係がない状況にしておいた方
が無難でしょう。お互い干渉せず、自分流の経営をした方が、責任のな
すりあいをすることもできず、かえってうまくいくと思います。
もし将来、本人たちがお互いを必要とすることが発生したなら、その時に、
取引、提携を開始すればいいのですから・・・。
父親としてはどちらもかわいい息子で、助け合って欲しいという気持ちは
よくわかります。しかし、親子の縦の関係と、兄弟の横の関係が根本的
に異なることも事実です。
父親生存中に仲の悪かった兄弟が、父親亡きあとうまくいく、というのは
例外中の例外だと考えてください。
■ 4. おしらせ
★臨時休業のお知らせ★
11月4日、5日社員旅行のため誠に勝手ながら
臨時休業させて頂きます。
よろしくお願い致します。
☆上記「悩みの相談室」に関するご意見は
mail@nksy.co.jpまで
お寄せください。
なお、いろいろな経営上の「悩み」をお寄せください。ご承諾をいた
だいた上で、「悩みの相談室」に掲載したいと思います。
山崎修一オープンセミナーのお知らせ
日時:10月14日(木)10:00~12:00(午前の部)
13:00~16:00(午後の部)
場所:阪急グランドビル26階
テーマ:午前『儲かる商売を創り出すための、人の育て方、組織のあり方』
午後『儲かる商売を創り出すためのビジネス革新』
お問い合せ:清話会 関西支局 06-6361-2351
日時:10月28日(木)13:30~16:30
場所:神戸商工会議所3階会議室
テーマ:『事業承継のための上手な自社株対策・節税対策』
お問い合せ:神戸商工会議所
詳しくは http://www.kobe-cci.or.jp/
アウトオフィス及び財務のお客様へのお知らせです。
6月から、簡易監査を実施しています。
受取手形、売掛金の監査が終了したところから、買換金、支払手形等の監査
に入らせて頂きます。
ご協力お願い致します。
担当:財務指導部 山本雅文
いーかわらばんのバックナンバーをホームページに掲載しております。
途中購読の方で興味のある方は弊社ホームページをご覧下さい。
http://www.nksy.co.jp
次回のテーマは以下の通りです。
- 1. 時の話題
- 2. 山崎発、経営を考える
- 3. 今月の事務
- 4. おしらせ
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☆弊社お客様並びに名刺を頂いた方にもお送りさせて頂いております。
突然の配信をお許しください。
☆展示会等のご案内を掲載させて頂きます、ご一報下さい。
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