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いーかわらばん vol.138

  • いーかわらばん
  • 株式会社アウトオフィス
  • 2004/07/14
  • vol.138

▼INDEX▼

■ 1. 時の話題

「誤差10万年に1秒」の時計

■ 2. 山崎発、経営を考える

データの情報化、情報のデータ化

■ 3. 今月の本棚

『逆システム学』 金子勝 児玉龍彦著 岩波新書

■ 4. おしらせ

オープンセミナーのお知らせ

■ 1. 時の話題

<「誤差10万年に1秒」の時計>

皆さんの腕には、電波腕時計が巻きついているのでしょうか。それと
もロレックス、ブルガリといった舶来ブランドものでしょうか。あるいは、
日本派で、セイコー、シチズン等でしょうか。

電波腕時計は「誤差10万年に1秒」を謳い文句に、2003年までの2
年間に市場規模を10倍にのばし、2004年もさらに2倍の売上を見込
んでいます。

シチズンは業績をV字回復させましたし、カシオは、いずれすべてを電
波腕時計に切り替える方針です。

電波腕時計は福島と福岡にある送電所から送られる標準時間の電波
を受信することにより、時刻を自動修正する機能を持つもので、日本の
独自技術のように思われています。

ところが、実はドイツが1986年世界初の電波時計、1990年には電
波腕時計を発売しています。その当時は、「こんな正確さを競う時計を
買うのは、世界中探してもドイツ人と日本人ぐらいのものだろう」と皮肉
っぽく語られ、あまり注目されなかったようです。

この「究極の正確さ」は、商品としての機能価値でしょうか、それとも、
情緒価値でしょうか。正確さを強調すれば機能価値、安心感や永久性
を強調すれば情緒価値・・・

いずれにせよ、高級ブランドものと、安価な中国ものに二分されつつあ
った時計業界に割って入った電波腕時計・・・。 国内はもとより、海外
でどの程度のシェアを確保していくのか、注目です。

■ 2. 山崎発、経営を考える

<データの情報化、情報のデータ化>

前回は、POSの役割について考え、そのなかで、POSが受け持つ領域
と人間が受け持つ領域の峻別を末端まで浸透させているところに、IY
グループのすごさがある、という私共の解釈をお話ししました。

今回は、それをふまえて、データと情報の関係をさらに深めてみましょう。

まず、「広義の情報」を、「データ」と「狭義の情報」に分類します。

データは、過去のものでそれ自体意味を持たない、という性質を持って
います。また、数値データ、テキストデータ、音声データ、画像データなど
さまざまなデータ形式があります。

たとえば、前期6月の売上高1億円、当期6月の売上高8千万円だとす
ると、これらはいずれも(数値)データです。過去のものであり、それ自体
意味を持っていないからです。もちろん、前年同月対比2千万円の売上
減少という場合の2千万円も(数値)データです。

さて、ではこの2千万円がいかなる理由で減少したのか、そこを追究して
得られた結論は、今度はデータではなく、「狭義の情報」です。意味を持っ
ており、しかも、過去のデータをもとにした情報ですので、われわれは過
去情報と呼んでいます。

たとえばその理由が、「安価な競合商品による自社商品の機能価値の
低下」だったとしましょう。だったら、次にどんな手を繰り出すことにより、
いかなる成果を生み出すことができるのか、これを考えなければなりま
せん。

この将来に向けての、「何をすればどんな成果に結びつくはずだ」という
この部分を「未来情報」とよんでいます。そして、実際にやってみて、ほん
とうにそうなるかをデータで確認する、そしてそのデータをもとに、また過
去情報を追究し、未来情報を創り出す・・・

この、一連の流れを「データの情報化、情報のデータ化」と称しています。
すなわち、
データ → 過去情報 → 未来情報 → データ → 過去情報 ・・・
という流れです。

このことは、「仮説→実行→検証」と実務上は全くイコールと考えてよい
でしょう。仮説=未来情報、検証=過去情報と置き換えることができる
からです。

そして、データから過去情報を追究し、そこから未来情報を創造する部分
こそ、人間しかできない領域であり、それを実践した成果をデータ化する
ことがPOSの役割だ、ということです。こういったことが、組織の末端まで
浸透し、実践することができるか、それが重要だ、というわけです。

■ 3. 今月の本棚

<『逆システム学』 金子勝 児玉龍彦著 岩波新書>

副題は「市場と生命のしくみを解き明かす」となっています。著者の金子
氏は慶応大学経済学部教授、児玉氏は東京大学先端科学技術研究セ
ンター教授です。

このことからご察しのとおり、この本の特徴の一つは、自然科学である
生物学と、社会科学である経済学の方法論的な融合を試みている、と
いう点です。

二つ目の特徴は、タイトルが示すように、「逆システム学」というものの
提唱です。

従来は二つのアプローチがありました。

一つは、方法論的個人主義、すなわち独立した個人や要素を出発点
とする方法、もう一つは構造論、複雑系論すなわち個人や要素を拘束し
ている全体の「構造」を想定して全体から出発するというアプローチです。

この「逆システム学」は、その二つの方法論の間である、個と全体を結
ぶ中間領域にある制度、調節制御のしくみに注目しています。それは
「制度の束」と「多重フィードバック」という言葉で表現されています。

私は、11年前の1冊目の著書『企業30年説をうちやぶる』のなかで、
21世紀の組織における最大のテーマを、
「個と全体の調和的成長システム」
の構築に置き、その方法を論じました。

この本の中には、より論理的、分析的な一つの解答が潜んでいるよう
な気がします。少し難しいかもしれませんが、一読に値する本だと思い
ます。

■ 4. おしらせ

<オープンセミナーのお知らせ>

日時:7月22日(木)14:00~16:30 場所:阪急グランドビル19F
関西文化サロン
テーマ:『オーナー企業の会社の譲り方・引継ぎ方』
お問い合せ:ビジネスエージェンシー 高島 090-1021-0421
申し込み方法は当社ホームページ講演予定をご確認下さい。
http://www.nksy.co.jp


アウトオフィス及び財務のお客様へのお知らせです。

6月から、簡易監査を実施しています。
現預金の監査が終了したところから、受取手形、売掛金の監査に
  入らせて頂きます。
ご協力お願い致します。

担当:財務指導部 山本雅文

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次回のテーマは以下の通りです。

  • 1. 時の話題
  • 2. 山崎発、経営を考える
  • 3. 事業承継の真視点
  • 4. おしらせ

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