いーかわらばん vol.132
- いーかわらばん
- 株式会社アウトオフィス
- 2004/05/26
- vol.132
▼INDEX▼
■ 1. 時の話題
<納税者番号制度の真のねらい>
1980年に制定された、通称「グリーンカード」(少額貯蓄等利用者カード)
を覚えておられる方も多いと思います。このカードは実施が延期され、その
5年後には、結局、法律自体が廃止されました。
しかし、今回の納番制(納税者番号制度)は、かなりの現実味があります。
といいますのも、政府税制調査会、財務省、自民党、民主党がほぼ足並
みをそろえてしまったのです。まさに、「永田町、霞ヶ関、納番制連合」です。
ここには、将来に向けて、二つの「おもわく」があるように感じます。
ひとつは、国民年金、厚生年金、共済年金等の一元化です。
今回の年金混乱を背景にして、年金制度の抜本的改革のためには、納番
制によって、税務当局が、所得をもれなく正確に把握できる仕組みが必要
だ、という考え方です。
二つ目は、将来の消費税率引上げ、複数税率制との絡みです。
将来7%、10%と消費税率を引き上げていく中で、必ず、問題になってくる
のが、必需品と奢侈品の区分です。必需品には低率を適用すべきだ、とい
う議論が沸いてくるのは当然です。しかし、この物的区分は、大変難しい・・・
そこで浮上しつつあるのが、所得による人的区分です。さまざまなカード技
術の向上、浸透とあいまって、購入時に所得が記憶された納番制カードを
レジにさっと通せば、あなたの税率は、「はい○%」というわけです。
今回、政府税調は、来年度から「選択納番制」を導入することを報告書に
織り込む予定です。一方、自民党は「完全納番制」を検討課題に、民主党は
2009年スタートの年金改正法案の中に、やはり「完全納番制」を盛り込ん
でいます。
プライバシーの侵害等との関係をどうするか、といった問題はありますが、
実質増税へのもくろみは、着々と進行しつつあるようです。
■ 2. 山崎発、経営を考える
<POSからPOUへ>
15年くらい前、マフラーを製造していたあるメーカーの社長が目にした
のは、町で高校生のほとんどが自社のマフラーを腰に巻いていた姿で
した。
なんという使い方をするんだ、と軽い怒りを覚えましたが、それが若い
子の使い方なのか、と考え直し、腰巻き用のマフラーを開発して販売し
たら爆発的にヒットしました・・・
これは、マーケティング的には、
「POSからPOUへ」
の典型的な事例として、とらえることができるでしょう。
POS(Point of Sales;販売時点管理)は承知のように、アメリカの、
主として小売業界で、盗難や不正を防止するためのシステムとして
開発されました。
日本では、1980年代前後に、イトーヨーカ堂グループが、消費動向
を探る仮説検証の道具と位置づけて、本来の力を発揮するようになり
ました。
この活用レベルは世界の最先端をはしり、「単品管理」手法は、その
まま英語になって、ウォルマートを初めとするアメリカ小売業界にも、
少なからぬ影響を与えています。
ヨーカ堂グループのこの活用の凄さは、いくつもありますが、その一つ
は、仮説という言葉のなかに
POU(Point of Use;使用時点管理)
という考え方まで含まれている、という点です。
たいていの会社が、売った時点で仕事は「終わり」と思ってしまう。保険
でも、家でも、冷蔵庫でも・・・。
しかし、重要なのは、その後、それがどんな使われ方をしており、作った
側の考えたとおりに価値を見いだしてくれているか、あるいは、どこかに
不満を持っていないか、それはなぜか、などをとことん研究することでは
ないでしょうか。
そして、こういった深い観察、考察から、次の新たな開発視点が見えてき
ます。マーケティング的には、POUは、「商品価値=使用価値」を主眼と
している、ということができます。
次回以降は、「使用価値」についてさらに深めてみたいと思います。
■ 3. 今月の事務
<今月の事務>
●住民税の金額変更
各市町村から住民税の特別徴収税額の通知書が届いていると思いますが、
6月から平成16年度分の徴収が始まります。
前月と金額が変更になりますので、今月の給与計算は要注意です。
●賞与からの健保・厚年の保険料徴収
6月に賞与が支給される会社が多いと思います。
昨年4月から保険料の徴収方法が総報酬制になりました。給与と同じ保険料率を
適用して保険料を徴収します。
また、賞与を支払ったときには「賞与支払届」を作成し、支給日から5日以内に
所轄の社会保険事務所(一部の健康保険組合も含む)に提出します。
●中元・暑中見舞状の手配
中元については、百貨店等への発注、暑中見舞いについては印刷会社への
発注が必要です。
宛名書きは早めに始めましょう。
■ 4. おしらせ
<オープンセミナーのお知らせ>
日時:6月16日(水)14:00~15:30 場所:阪急グランドビル26F
テーマ:「関西経済復活のシナリオ」
・20世紀企業と21世紀企業は逆の方向に動く!
・事業創造における商品の位置付け
・顧客視点に立った事業創造の成功原則
・人の問題・・・経験と知恵が比例しない理由
・「高度自立型組織」の要件とは?
お問い合せ:清話會関西支局 06-6361-2351
http://www.seiwakai.com/reikai/reikai_now_oosaka.html
上記サイトをご覧下さい。
アウトオフィス及び財務のお客様へのお知らせです。
6月から10月にかけて、簡易監査を実施したいと思います。
6月15日以降、順次、ご訪問時に実施させて頂きますので
ご協力お願い致します。
6月は、現預金・借入金に関係する項目につき監査させて頂きます。
詳しくは、担当者からご連絡させて頂きますのでよろしくお願い致します。
担当:財務指導部 山本雅文
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次回のテーマは以下の通りです。
- 1. 時の話題
- 2. 山崎発、経営を考える
- 3. 今月の本棚
- 4. おしらせ
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